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膵炎

膵臓が炎症を起こした状態を膵炎といいます。激しい痛みが特徴的な膵炎は、できるだけ早期の治療が必要になります。重症の急性膵炎は難病に指定され、治療が難しいとされています。ここでは、原因、主な症状、治療法などを通して、膵炎がどのような病気なのかを見ていきましょう。

どんな病気?

膵炎は膵臓から分泌された消化酵素が、膵臓そのものを溶かしてしまうことで発症します。自らの分泌成分で自らを消化してしまう、実に不思議な病気です。この病気は胆石、おさけの飲み過ぎ、いろんな薬の服用、ウイルスによるかんせん症など、さまざまなことが原因で起こります。その中でも一番多い原因としては、おさけの飲み過ぎが挙げられますが、なぜそれが膵炎発症の原因となるかは明らかになっていません。そのほか、原因不明の膵炎もあり、続発性膵炎といわれています。膵炎は急性と慢性に分けられています。

主な症状

急性膵炎と慢性膵炎の主な症状を、それぞれ紹介しましょう。どちらにしろ、症状が見られたらできるだけ早く受診してください。

急性膵炎

急性膵炎の主な症状は、上腹部痛になります。みぞおちから左上腹部が痛み、それが背部に広がることもあります。痛みの程度は軽いものもあれば、じっとしていられないほどの激痛もあります。この痛みは膵臓に炎症が起きているあいだは、ずっと続きます。吐き気や嘔吐、腹部膨満感、食欲不振、発熱といった症状が認められ、次第に病気が進行して症状が悪化すると、意識障害になったり、血の気か引いて血圧が下がるなどのショック状態に陥ってしまいます。さらに腹部の圧痛、お腹を押されると硬くなる筋性防御がよく見られます。

慢性膵炎

上腹部痛、腰背部痛があり、程度は軽いものから重いものまでさまざまです。吐き気、嘔吐、腹部膨満感、食欲不振などが挙げられます。病気が進行すると、外分泌機能不全となって、脂肪性下痢や体重減少が起こり、内分泌機能不全になった場合には膵性糖尿病を発症します。このほか、腹部の圧痛や背中の叩打痛(こうだつう)もよく見られる症状の1つです。その一方で、慢性膵炎でも何も訴えないケースもあるので、注意しなければなりません。

検査と診断

検査方法について、説明しましょう。特に急性の場合は、画像検査が確定診断に大いに役立ちます。

問診・視診・触診

腹部の特徴的な痛みから急性膵炎が疑われ、その急性膵炎の病歴によって慢性膵炎が疑われます。胆嚢の病気があったり、おさけが好きな人、または急性膵炎の治りが悪い人などは、その可能性が高いです。診察時には、聴診器で腹壁の筋肉の硬さをチェックします。

血液検査

急性、慢性どちらの診断でも、いくつかの血液検査を行います。膵臓でつくられるアミラーゼとリパーゼという酵素の血中濃度が上昇しますが、別の発作が急に起きたときは膵臓の大部分が壊れてしまっていることから、酵素濃度は上昇しないことがあります。また、白血球の数は増えます。

画像検査

腹部X線検査では、腸が大きくなっていることが分かり、胆石が発見されることがあります。胸部X線検査で、肺の状態や胸水を調べます。さらに超音波検査では、胆嚢をチェックできて、総胆管にある胆石や、膵臓のはれを確認することができます。そしてCT検査は、膵臓の大きさを診るのに役立ちます。これら3つの検査は、主に急性膵炎の診断で行うもので、慢性の場合は必ずしも行うものではありません。慢性膵炎では、内視鏡的逆行性胆管膵管造影を行い、膵管の拡張や狭窄、胆石の有無を確認したりもします。

治療法

膵炎の基本的な治療法は、絶飲絶食をした上での点滴になります。痛みに対しては、鎮痛薬を用いた治療が行われます。軽症の場合は、このような治療で快方に向いますが、胆石など原因となる病気の影響が大きいときは、そちらの病気を先に治療しなければなりません。重症になると、進行透析または手術などをしなければならなくなるケースもあります。また、急性・慢性どちらも生活習慣の改善や食事療法、運動療法といった継続的な治療が必要です。


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