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過敏性腸症候群

日本でも5人に1人が悩まされている病気が、過敏性腸症候群というものです。通勤や通学途中に急に腹痛におそわれ、トイレに駆け込む…こんな経験があるでしょうか。この病気の大部分はストレスからくるといわれています。ここでは、過敏性腸症候群の主な症状、治療法、予防法などについて説明しましょう。

どんな病気?

過敏性腸症候群は、主に大腸の働きに何らかの異常が生じて便通異常が起こる病気で、男女ともに発症しますが、どちらかといえば比較的女性に多い傾向にあります。過敏性腸症候群を発症すると、消化管全体がいろんな刺激にとても敏感になってしまいます。そのため、ほんの少しの刺激でも腸がひどいけいれんを起こすのです。過敏性腸症候群の原因として精神的なストレスや食事、薬などが挙げられます。なかでも、一番大きな原因となっているのは脳も消化管に強く影響を及ぼしていることから、精神的なストレスと考えられています。

主な症状

症状としては腹痛、お腹の不快感、吐き気、ガスなどを伴って下痢や便秘を繰り返します。これらの症状は長い間ストレスを感じていたり、腸炎にかかったあとに見られます。一般的には突然便意が起こり、下痢が始まります。このほか、お腹がゴロゴロする、残便感、疲労感といった症状も認められます。この過敏性腸症候群は、大きく3つの症状に分けられます。

下痢タイプ

強い腹痛を伴い、1日に何度も下痢をしてトイレに駆け込みます。家にいるときにだけでなく、通勤途中の電車内や外出先などでも、急な便意に悩まされます。そのため、いつもトイレの場所が気になります。このタイプは男性によく見られます。

便秘タイプ

腹痛でトイレに行っても、排便の量は多くありません。いつもお腹が張っている状態です。このタイプは女性に多いとされています。

下痢・便秘交代タイプ

何日かごとに、下痢と便秘を交互に繰り返します。過敏性腸症候群の症状の中では、このタイプが一番多いといわれています。トイレにこもりっきりになる人も少なくないのではないでしょうか。

検査と診断

何ヶ月間も下痢や便秘を繰り返していることから、何か腸の病気なのではと思い、病院で検査を受けても、“特に異常なし”と診断されたという人もいるでしょう。このような場合は、過敏性腸症候群が疑われます。問診で通勤・通学途中の電車内、発表会や会議でのプレゼンの直前に腹痛を訴え、帰宅時には治まる…というような特徴があるかをチェックします。腹痛や便通異常を認める病気が他にもあるので、判別するために大腸の内視鏡やX線検査、血液検査なども行います。これらの検査を行って、特に大腸の病気や甲状腺機能の異常などがない場合には、診断が確定します。

治療法

過敏性腸症候群に対しては、生活習慣の改善とストレス解消が効果的な治療法になります。まず、辛いものや油っぽいもの、カフェインが多く含まれているなど刺激の強い食品はなるべく避けましょう。睡眠をたっぷりとり、毎朝決まった時間にトイレに行くよう心がけてください。併せて、便通の異常を改善する薬や痛みを和らげる薬を使った薬物治療を行います。また、ストレス解消のためのリラックス法などを指導する場合もあります。「また下痢を起こしてしまうかも…」といった不安にあまりにも頻繁にかられるような人には、精神安定剤などが処方されます。

予防法

この過敏性腸症候群にならないためには、規則正しい生活をすることが大前提です。その上で、ストレスをうまくコントロールしていくような工夫が必要になります。特にまじめで完璧主義者、几帳面、消極的な人はストレスに弱いでしょう。そんな人は、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。音楽を聴いたり、スポーツをしたり、買い物したり、友達とお茶したり…。ストレスを感じないことはできないので、上手に対処することが大切です。生活の中で少しずつ楽しみを見つけるようにしましょう。


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