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胃潰瘍

胃潰瘍はストレスの影響を受けやすい病気として知られています。以前は男性に多い病気とされていましたが、近年は女性にも増えてきました。これは女性の社会進出が進み、ストレスにさらされる環境が増えたからだと考えられます。胃潰瘍を防ぐには、心身をリラックスさせて、ストレスに強くなることが一番です。

どんな病気?

胃潰瘍とは、胃粘膜組織の一部が欠損する病気です。正常な胃粘膜は粘液を分泌することによって、強力な消化作用をもつ胃液で自身が消化されるのを守っていますが、そのバランスが崩れて胃壁が溶けることによって生じます。粘膜上皮だけが傷ついた症状を「びらん」というのに対して、粘膜下層までえぐれてしまった状態を「胃潰瘍」といいます。主な原因はストレスや喫煙、過度の飲酒、非ステロイド系消炎鎮痛薬などの服用などとされていますが、近年は胃の粘液に生息するヘリコバクター・ピロリ菌の感染も胃潰瘍の発生に関与しているとされ、世界中で研究が進められています。

主な症状

食後少し時間が経過すると、上腹部(みぞおち)や背中に痛みが生じ、軽食をとると軽快する傾向にあります。このような症状は潰瘍の活動期に起こり、憎悪期になると食後や空腹時を問わず痛むこともありますが、治癒期には無症状となるのが特徴です。高齢者では胃潰瘍の出血が心筋梗塞や狭心症を引き起こすこともあり、注意が必要です。

検査と診断

自覚症状のみで胃潰瘍の確定診断はできません。胃がんなどでも同様の症状がみられるので、必ず検査が必要です。胃潰瘍の検査では、主にX線検査と胃内視鏡検査(胃カメラ)が行われます。X線検査では「バリウム」という液体を飲み、レントゲンで潰瘍部のバリウムの溜まりをみつけます。一方で、胃カメラは潰瘍の有無のみならず、その病期(活動期・慢性退行期・瘢痕期)も診断することができるうえ、良悪性を鑑別することもでき、悪性の可能性があればすぐに生検を行うことも可能です。なお、X線検査だけでの診断には限界があるので、ほとんどの場合は内視鏡を併用します。

治療法

胃潰瘍は1~2ヶ月の薬物療法で治るとされていますが、一方で再発しやすいとされています。処方された薬をきちんと飲み、ストレスを上手にコントロールしたり、栄養バランスのとれた消化のいい食事や規則正しい生活を心がけたりして、再発に十分注意しましょう。

薬物療法

プロトンポンプ阻害剤やH2受容体拮抗剤などの「制酸剤」で胃酸を抑えることによって、潰瘍はほぼ治癒します。しかし、内服を中止すると再発するので、服用を継続することが必要です。ときに胃粘液を増やしたり、粘膜の血流を促したりする目的で胃粘膜保護剤を用いることもあります。現在、潰瘍再発の主たる原因がピロリ菌感染であることも明らかになっており、胃酸を抑える治療は対症療法であると考えられています。

ピロリ除菌療法

ピロリ菌を除菌することで潰瘍再発が劇的に少なくなることから、除菌が潰瘍治療の根本的治療と位置づけられています。除菌治療には抗製剤や酸分泌抑制剤などが用いられ、1週間内服し、約8週間後に尿素呼気試験で除菌の成否を判定するのが一般的です。ただし、ピロリ菌の中には耐性菌といって抗生剤の効かない菌もみられ、除菌成功率は約8割となっています。

外科的手術

H2受容体拮抗剤の登場以来、外科的手術は激減しています。現在では大量出血や内視鏡での止血困難例、重篤な合併症(穿孔や狭窄など)が認められた場合などに限って手術が用いられます。

生活習慣の改善

胃潰瘍にとって、過労やストレスは大敵です。また、出血や胃痛などの症状がひどいときには禁酒、禁煙を心がけ、胃酸の分泌を促す食べ物(肉類やカフェイン、香辛料など)も控えるようにします。脂肪性の食品や繊維の多い食べ物は消化に負担がかかるので、避けた方がいいでしょう。


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