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骨腫瘍

骨腫瘍は、小さな子供から大人まで幅広い年齢層で発症する病気です。医学の進歩によって比較的高い確率で治るようになってきましたが、特に悪性の場合は依然おそろしい病気であることに変わりありません。ここでは、主な症状や治療法などを通して、骨腫瘍が一体どのような病気なのかを説明していきましょう。

どんな病気?

骨腫瘍は正確に言うと病名ではなく、骨にできた異常細胞の増殖物になります。その異常細胞が増えていくことによって、さまざまな症状が見られます。骨腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、前者は単発性骨嚢腫や類骨骨腫など比較的多く見受けられますが、後者はごくまれです。さらに、子供にははじめから骨に腫瘍ができる原発性、大人には乳腺や前立腺といった他の臓器にできた悪性腫瘍が骨に転移してしまう転移性の骨腫瘍が多いです。また、子供に発症する骨腫瘍の代表的なものには、骨肉腫やユーイング肉腫、軟骨肉腫などが挙げられます。

主な症状

骨腫瘍の主な症状には、第一に骨の痛みがあります。激痛が特徴で、併せてはれや変形などの症状があらわれます。なかでも悪性腫瘍の場合、骨そのものがもろくなってしまい、ほんの少しの力、または何の力も加わらない状態で簡単に骨折してしまったりします。この症状を病的骨折といいます。骨腫瘍を発症しても、炎症性の病気とは違うため、赤くはれたり、熱感のような症状が出ることはあまりありません。ただ悪性腫瘍だった場合は、発熱などの全身症状が認められることもあります。

検査と診断

骨の痛みなど骨腫瘍が疑われるような症状が見られたら一刻も早く整形外科を受診しなければなりません。まずは、問診と視診、触診が行われます。そして、次にX線検査やCT検査、MRI検査、血管造影、骨シンチグラフィなどの画像診断が行われます。この画像診断は、骨の状態を確認するのに役立ちます。このほか、確定診断のためには病巣の細胞の一部を採取して、顕微鏡で細胞の種類を調べる生検が重要になります。これらの検査も少しでも早く治療を始めるため、できるだけスピーディーにする必要があります。

治療法

骨腫瘍は、良性と悪性で少し治療法が異なります。特に、悪性のものについては、それぞれの病状に合った手術が治療の大きなポイントです。

良性腫瘍の場合

良性腫瘍の治療は、軽症なら放置しておいて構わないケースもありますが、腫瘍がどんどん大きくなっていく、腫瘍が大きくて骨折するおそれがある、変形がひどい、関節の動きが制限されてしまう、痛みがひどい、まわりの神経や血管に障害が及んでいる…などというときには、手術を検討したほうがいいでしょう。

悪性腫瘍の場合

骨肉腫とユーイング肉腫には、化学療法が効果的とされています。手術前と手術後で計約10回の化学療法を行います。手術治療は、腫瘍のできた骨とまわりの筋肉を一緒に取り除く腫瘍広範切除術となります。切除後の再建法は人工関節を用いることが多いですが、骨が成長段階にある子供などは、人工関節が使えないので切除した骨に放射線を照射してから、その骨を戻して固定する術中体外照射法も行っています。大人の場合は、自分の骨や人工骨を使います。一方、軟骨肉腫は原則として手術のみの治療が行われます。軟部肉腫に対する化学療法に関しては、他に合併症がなければ行うこともありますが、高齢者に対しては合併症が起こりやすいことから、基本的に化学療法は施されません。軟部肉腫も手術治療が主で、その方法はまわりの筋肉組織を腫瘍につけて切除する腫瘍広範切除術が原則となります。


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