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むちうち

交通事故に遭ったときなどに、追突の衝撃で起こる首の損傷のことを「むちうち」といいます。車の事故以外に、スキーなどでも後ろから勢いよくぶつかられても同じようなことが起きます。ここでは、主な症状や治療法などから「むちうち」がどのような病気なのかを説明していきましょう。

どんな病気?

「むちうち」は、主に交通事故の衝撃によって引き起こされる症状の総称になります。

実は正式傷病名を頸椎捻挫・頸部挫傷・外傷性頸部症候群などといい、「むちうち」というのはムチを打つときの動作に似ていることから付けられました。

多くの人は、これら3つの傷病名のうち、どれかで診断されます。また、この病気は損傷した部位によって、いくつかの種類に分けられます。


頸椎捻挫型

頸部を支えている筋肉やじん帯が引き伸ばされたり、または傷ついたりして損傷が起きます。「むちうち」の多くは、この種類といわれています。

根症状型

脊髄からの頸部神経が引き伸ばされたり、頸部に生じたズレが原因で圧迫されて損傷が起きます。

バレ・リユウー症状型

交感神経に傷がついたり、脊椎が椎間板や筋肉に圧迫されて椎骨動脈の血流が悪くなることで、損傷が起きます。

脊髄症状型

脊髄が傷ついたり、圧迫されたときなどに見られる種類で、下肢の神経が傷つくことで起こります。

脳髄液減少型

脊髄液に強い圧力がかかることで、周囲の膜が破れてしまい、脊髄液が漏れている状態になります。この病気は、少し珍しい種類です

主な症状

「むちうち」は衝撃の大きさが異なるので、もちろん損傷の程度もさまざまです。軽い症状としては、首筋の痛みが挙げられます。症状がもう少しひどくなると首だけではなく、肩や腕から手先にかけて痛んだり、しびれたりすることがあります。さらに重症の場合には、これらの症状のほか、頭痛やめまい、吐き気、耳鳴りなどの症状が加わります。ちなみに、事故後すぐに「むちうち」の症状が出るとは限りません。2~3週間後に出てくることもあるので、注意が必要です。


ここで、「むちうち」の種類別に症状を見てみましょう。

頸椎捻挫型

首を動かした際に痛みを感じたり、首を動かしにくくなったりします。首や背中のコリのほか、頭痛やめまいなどの症状も見られます。

根症状型

手足のしびれや痛み、倦怠感、筋力低下などの症状があらわれます。さらに、顔面痛や後頭部の痛みも認められます。

バレ・リユウー症状型

後頭部や首のうしろに痛みが出るほか、めまい、吐き気、耳鳴り、難聴、目のかすみ、眼精疲労といった症状が出ます。また、全身の倦怠感や集中力低下の症状も見られます。

脊髄症状型

下肢のしびれや知覚異常が起こり、歩行障害などの症状があらわれます。そのほか、膀胱直腸障害が出て、排尿や排便がしにくくなる場合もあります。

脳髄液減少型

頭痛、首や手足の痛み以外に視力、聴力、味覚障害などが認められます。加えて、血圧や胃腸障害などの自律神経症状、記憶力低下や不眠、全身の倦怠感などの症状も出ます。

検査と診断

「むちうち」の診断は、画像検査によって行われることが多いです。まず、X線検査で頸椎の骨折・脱臼、椎間板や筋肉、じん帯が損傷していないかどうかを調べます。ですが、軽症の場合、一般的なX線検査では異常を発見できないことも少なくありません。そこで、もう1つの画像診断として行うのが、MRI検査です。この検査では、脊髄・神経根の圧迫や椎間板ヘルニアの状態を確認することができます。さらに、神経学的検査を行います。これには、腱反射や知覚検査、徒手筋力テスト、病的反射検査などが含まれます。これらの検査で、症状の原因を確認し、損傷している神経根や脊髄のレベルをチェックします。

治療法

治療法も損傷の程度によって、決められます。軽い「むちうち」の場合は、衝撃を受けた部分を安静にして様子を見るようにしましょう。それで治るようなら、特に何の治療も必要ありません。何らかの治療を必要とする場合は、ネックカラーで患部を固定して、なおかつ牽引を行うこともあります。重症の場合は、入院治療をしなければなりません。症状の程度によっては、2~3ヶ月の牽引をすることになります。また、「むちうち」のリハビリテーションとして、首のストレッチや筋力強化をはじめ、温熱療法、低周波・干渉波といった電気療法などが行われます。


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