以前は美容外科も「整形外科」と標記していたことから、美容外科と混同されがちでした。一般的に、整形外科は身体の運動に関する背骨や手足のケガ、病気、脊髄、筋骨格系の治療が対象です。代表的な病気として肩こり、骨折、捻挫、腰痛、脱臼、股関節症、変形性関節症などがあります。
| 各部位の痛み | 筋骨格系の痛み | 変形・奇形 | 腫れ・痺れ | その他 | |||||
| 首・肩 | 手・腕 | 足・股関節・腰 | 筋肉(腱) | 骨 | 関節 | ||||
| 肩こり | ● | ● | ● | 頭痛、吐き気 | |||||
| 五十肩 | ● | ● | ● | ● | |||||
| むちうち | ● | 頭痛、吐き気 | |||||||
| 椎間板 ヘルニア |
● | ● | ● | 感覚障害等 | |||||
| 脊柱管狭窄症 | ● | ● | 歩行障害 | ||||||
| ぎっくり腰 | ● | ||||||||
| 腰椎分離症・ 腰椎すべり症 |
● | ● | |||||||
| 変形性関節症 | ● | ● | |||||||
| 骨折 | ● | ● | |||||||
| 脱臼 | ● | ● | ● | ||||||
| 捻挫 | ● | ● | |||||||
| 筋肉痛 | ● | ||||||||
| 肉離れ | ● | ||||||||
| アキレス腱断裂 | ● | ● | |||||||
| 腱鞘炎 | ● | ● | |||||||
| 突き指 | ● | ● | |||||||
| 外反母趾 | ● | ● | |||||||
| 内反足・ 外反足・偏平足 |
● | ● | |||||||
| 関節炎 | ● | ||||||||
| 骨髄炎 | ● | ● | 全身症状 | ||||||
| O脚・X脚 | ● | ||||||||
| 野球肘 | ● | ● | |||||||
| 骨腫瘍 | ● | ● | |||||||
人間の体が一定の形を保ち、安定して動くことができるのは「筋骨格系」の働きによるものです。筋骨格系は骨格を形成する骨と筋肉、腱、靭帯、関節、軟骨、その他の結合組織から成り立っています。「結合組織」とは体内のさまざまな組織や器官を結び付けている組織で、その主な成分は弾性線維とコラーゲン(たんぱく質)です。結合組織は人体のさまざまな組織を支えて臓器の位置を保ち、全ての組織の基礎となる構造をつくりあげています。
骨はからだ全体を支える作用以外にも、いくつかの骨が集まることで骨格を形成し、重要な器官(脳や内臓など)を収めて保護する役割、造血機能のある骨髄において赤血球や白血球、血小板を絶えず新生する作用、骨中に蓄えられた電解質(カルシウムなど)を必要に応じて引き出し、血流によって送り出す貯蔵作用などがあります。
人体には600以上もの筋肉があり、一般的な運動(歩く、走る、物を持つなど)に作用するほか、呼吸運動や胃腸の消化運動などにも作用します。同じ筋肉でも骨格のまわりについているのは「骨格筋」といい、自分の思い通りに動かすことができるため「随意筋」とも呼ばれています。一方、心臓や胃は自分の意思で動かしたり、止めたりすることができないので「不随意筋」と呼ばれています。
関節は骨と骨のつなぎ目にあたる部分で、私たちが自由にからだを動かすうえで欠かせない存在です。硬い骨同士が直接ぶつからないよう、骨と骨が接する部分はクッションの役割を果たす「関節軟骨」で覆われています。この軟骨の表面は実に滑らかで、腕や足などをスムーズに動かすことができるのです。つなぎ目全体は関節包という袋状の組織に包まれていて、この内側には滑膜があり、関節が動くときに潤滑油の役割を果たす「髄液」を分泌しています。