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作業療法

理学療法とセットで行われることが多い作業療法は、日常生活に必要な動作をスムーズに行うことができるようにする療法です。病気やけがなどによる後遺症を抱えていたり、障害を持っていても、できるだけ自分らしい生活がしたいと思うのは、当たり前のこと…。その実現に役立つ作業療法について説明していきます。

どんな療法?

病気やけが、交通事故などによる後遺症や何らかの障害をもつ人に対し、さまざまな作業活動を通して日常生活で出る支障を改善していくための療法になります。ちなみに、作業活動とは日常生活におけるすべての動作のことをいいます。作業療法では、たとえば文字を書いたり、着替えたり…といった応用的動作能力や社会的適応能力が欠けてしまっている人向けに治療・指導を行います。


作業療法の特徴は、その人の趣味や好みを考えながら園芸や手芸、陶芸などの作業活動も行う点です。理学療法のように目に見える方法でリハビリするのではなく、作業療法はさまざまな作業活動をするなかで、少しずつ生活に必要な応用能力が身に付くようにしていく方法になります。これは、心理的な面をつく方法といえるでしょう。

リハビリの内容

ここで、作業療法の具体的な内容を見ていくことにしましょう。一般的に“苦痛を伴う”というイメージの強い理学療法に比べて、比較的楽しみながらできるリハビリも多く、精神的にもラクなのではないでしょうか。

作業活動

この作業活動は、アクティビティーともいいます。編み物やタイルモザイク、革細工などの作品作りをします。上肢の機能訓練や集中力をやしなうことにもつながります。できるだけ、本人が興味を持てるようなものを選ぶことが大切です。そのほかにも音楽、園芸、陶芸、スポーツなど幅広い選択肢があります。

身体機能訓練

上肢や手指の機能を回復するために、いろんな訓練を行います。たとえば、天井からたれ下がったヒモを引っ張ったり、握力アップのためのグリップを握ったり、豆などの細かなものを指でつまんだり…。あとは全身のバランス感覚の訓練として、立位でのキャッチボールなども行います。

日常生活動作訓練

ベッドからの起き上がり、車椅子への移動、トイレ動作、床からの立ち上がり、食事、家事、入浴などに関する訓練を行います。必要に応じて、動作を補うための自助具を使うといいでしょう。特にこの訓練は、毎日少しずつ繰り返しやるようにしてください。

状態に合ったリハビリ

理学療法とは違う点としてもう1つ、作業療法の場合は、身体的には後遺症や障害などが見られない精神障害者に対してもさまざまなリハビリを行います。病気やけがなどで身体に障害をもつ人に限らず、精神の病気によって日常生活がうまく送れない人にも作業療法は欠かせません。それぞれの状態に合わせたリハビリが必要です。精神障害者に対しては「内容」の項目で触れているような作業活動を中心に行い、精神機能の向上、対人関係能力・作業能力の改善などを目指します。

作業療法士

ここで紹介したような療法を行うのは、作業療法士になります。理学療法と同じように、病院やリハビリテーション施設、福祉施設などで作業療法を受けることができます。作業療法士になるには、厚生労働省指定の養成学校で3年以上学ばなければいけません。卒業後、国家試験に合格すれば晴れて資格をえることができます。


最近は、園芸療法士や音楽療法士といった民間資格が続々と登場していることから、作業療法士への注目度が高まっていることがうかがえます。理学療法士と並び、高齢化社会の中で作業療法士は、ますます必要とされていく職業なのではないでしょうか。


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