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脊髄炎

脊髄炎は、脊髄に何らかの原因で炎症が起こる病気です。この病気にかかると、脊髄に張り巡らされている神経の電気信号経路が遮断されて、さまざまな症状があらわれます。ここでは、その症状や検査、治療法などを説明していきましょう。脊髄炎は、治療を早く始めれば始めるほど、回復の可能性が高くなります。

どんな病気?

脊髄炎は、頸髄、胸髄、腰髄、仙髄から成る脊髄のいずれかに炎症が起きる病気です。正式には、急性横断性脊髄炎といいます。今のところ、はっきりとした原因はわかっていませんが、自分の体を異物だと勘違いしてこうげきしてしまう自己免疫反応が原因とも考えられています。一般的に多発性硬化症、ライム病、結核、梅毒などを発病したあとに、脊髄炎を引き起こすことが多くなっています。ほかにも、風邪や下痢などを起こしたあと、脊髄炎にかかることも少なくありません。脊髄にはとても狭い場所に多くの神経が集中しているので、たとえ小さな炎症であっても重症になり、重い後遺症が出る可能性があります。

主な症状

脊髄炎を発病すると、横断性といって脊髄が全体的に損なわれてしまいます。炎症が起きた場所から下の運動機能と感覚機能に障害が出ます。さらに、排尿・排便ができないなどの症状が見られます。脊髄炎は炎症が起きた場所によって、あらわれる症状も少しずつ違ってきます。たとえば、一番炎症が多く見られるのは胸髄で、両下肢の麻痺と損なわれたところから下の部分に感覚障害および排尿・排便障害が見られます。頸髄が損なわれると、四肢に麻痺と感覚異常が生じます。そのほか、運動神経の通っている脊髄の前のほうだけに炎症が起きると、運動障害のみがあらわれる…というような部分的な障害が出るケースもあります。

検査と診断

脊髄炎の診断をするには、まず圧迫性や腫瘍性の病変、血管障害がないかどうかを調べるために、脊髄MRI検査を行います。続いて、髄液検査を行うと、炎症を確認できると同時に細胞が少し増え、タンパクの上昇がわかります。さらに、原因を特定するためにウイルス抗体価、髄液細菌培養、膠原病やその他の似たような病気などを調べなければなりません。さまざまな検査をすることで、脊髄梗塞、脊髄腫瘍、脊髄膿瘍、脊髄血管奇形といった病気が隠れていないかを知ることができます。

治療法

脊髄炎の治療法は、薬剤投与が中心になります。抗ウイルス薬や、脊髄で起こるアレルギー反応を抑えるために副腎皮質ステロイド薬などを使います。また、炎症そのものを抑える治療だけではなく、対症療法も行います。頸髄に炎症が起きたことによる呼吸不全に対しては、呼吸管理をしなければいけませんし、排尿障害に対しては、カテーテルの留置が必要になることもあります。


このような治療以外に、早い時期から積極的にリハビリをするようにしましょう。後遺症を出さないため、もし万が一、出てしまったとしても最小限にとどめることができるようにするには、リハビリがとても大切な要素になります。


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