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パーキンソン病

「パーキンソン病」は、脳血管障害、認知症とともに高齢者の3大神経疾患といわれている病気です。進行性の病気なので、少しずつ症状が重くなり、ついには寝たきりになってしまう場合もあります。ここでは、「パーキンソン病」の特徴や症状、治療法などを説明していきましょう。

どんな病気?

元プロボクサーのモハメド・アリさんや俳優のマイケル・J・フォックスさんが患っていることでも知られている「パーキンソン病」は、日本でも患者数は10万人以上にのぼるとされています。この病気は、本当なら年齢を重ねてから少しずつ減っていく黒質(こくしつ)という神経細胞が若いうちから減り始めることで発病します。黒質は、筋肉が働きすぎないようにコントロールしている神経伝達物質のドーパミンを分泌しています。そのため、黒質の神経細胞が減ると、ドーパミンの量も減ってしまうのです。それによって、いろんな症状が見られるようになります。


ちなみに、この病気は19世紀初頭にイギリスの医師ジェームズ・パーキンソン氏によって、最初に報告されました。このことから、彼の名前をとり「パーキンソン病」と名付けられたのです。

主な症状

「パーキンソン病」を発病すると、はじめは手や腕の軽い震えから、次第にさまざまな症状があらわれ、症状が重くなっていきます。「パーキンソン病の四徴(よんちょう)」と呼ばれる運動障害が見られます。

震え

振戦(しんせん)ともいいます。何もしていないときに手足が震え、物を取ろうとすると止まります。片方の手の指先から始まった震えが、数年のうちにもう片方の手や手首、口、舌、あご、足などに広がることもあります。

こわばり

筋固縮(きんこしゅく)ともいいます。筋肉がこわばり、関節を上手に動かせなくなってしまいます。腕が曲がったまま胸にくっついたり、ひざが曲がって内股になったりします。さらに、顔の筋肉までかたくなり、症状が進むと仮面のように無表情に…。これは、仮面様顔貌(かめんようがんぼう)といわれるものです。

無動

その名のとおり、動きが無くなるという症状です。歩こうとしても第一歩が出ない「くすみ足」のほか、まばたきが少なくなったり、腕の動きがぎこちなくなったりします。全体的に、動作がゆっくりになります。

姿勢反射障害

姿勢を保つことが難しくなり、常に前かがみになってしまいます。そのため、爪先立ちになって転びやすくなります。


これらの症状のほかにも、食べ物・飲み物が飲み込みにくくなる嚥下(えんげ)障害、便秘や立ちくらみなどの自律神経障害、うつなどの精神症状、認知症というような症状が出てきます。

検査と診断

症状の所見で「パーキンソン病」かどうかの診断をしますが、初期症状は軽いことが多いため、早い段階で診断するのは難しいと思われます。抗パーキンソン病薬の効果が認められれば、まずパーキンソン病と考えられます。なかでも、何ともないにもかかわらず、高齢になったことで「パーキンソン病」と似たような症状が出ることも少なくありません。こういうことが、余計に診断を難しくしているのです。「パーキンソン病」を直接、確定診断できる検査はありませんが、症状の原因になっている可能性がある疾患を調べることはできます。主に、頭部のCT検査やMRI検査を行います。それに加え、薬を投与して症状が和らいだ場合は、ほぼ間違いないといえるでしょう。手に震えなどの症状が見られるときは、「パーキンソン病」を疑い、早めに受診してください。

治療法

「パーキンソン病」の治療法は、薬剤投与が中心になります。脳内のドーパミンが減っていく病気なので、そのドーパミンを補充する薬を使います。ただ、このような薬を使っても、根本的な治療ができるわけではありません。また、ドーパミン自体を脳に入れることはできないので、脳血管を通って、脳内に入るとドーパミンに変わるエルドーパ(L-DOPA)という薬が用いられています。ですが、残念ながら病気の進行には勝てず、この薬の効果は10年以内になくなります。最近は、エルドーパと他の薬を組み合わせるなどして、長く元気に生活している人も増えています。薬物療法と併せて、リハビリも積極的に行う必要があります。


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