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急性脳症

急性脳症は7歳以下、特に2~3歳の子供に多く見られる病気です。この病気はある日突然発病することが多く、原因は不明といわれています。呼吸困難などの症状を伴うことがあるので、早急な受診が必要になります。ここでは、急性脳症の特徴や主な症状、治療法、後遺症などについて説明していくことにしましょう。

どんな病気?

急性脳症は、急に脳がはれて圧力が強まり、意識障害やけいれんなど、脳機能障害の症状があらわれる病気です。ただ、髄液検査をしても細胞増加などの炎症がないのが特徴で、その点が急性脳炎と区別する判断材料になります。この急性脳症は基本的に原因不明ですが、低酸素や低血糖、先天性代謝異常、肝不全、腎不全、ライ症候群などの病気が引き金になると考えられています。


ウイルスにかんせんすることで急性脳症が起きるとも考えられ、それはインフルエンザウイルスが原因になっている場合も少なくありません。このタイプの急性脳症は、「インフルエンザ脳症」と呼ばれています。また、インフルエンザだけではなく、ノロウイルスにかかり、その合併症で急性脳症になってしまった…というケースも5歳以下の子供には、よく見受けられます。ウイルスかんせんした際には、体が防衛反応としてサイトカインという物質をつくり、それが中枢神経系で過剰になって大脳にダメージを与えるとされています。

主な症状

突然40度近い高熱や下痢、吐き気、嘔吐というような症状に見舞われます。元気がなくて、意識もうろうの状態になり、呼びかけたり揺すったりしなければ目を開けなくなってしまいます。そうこうしているうちに、全身性けいれんの症状が出てきます。そのほかの症状として、脱力、幻覚、意味不明の言動、奇声、異常な興奮などが挙げられます。また、症状が重くなると、こん睡状態に陥ることもあります。


最初は、普通の風邪のような症状から始まることも多い急性脳症。油断しているところに、突然の高熱や意識障害があらわれます。初期症状が出たら、至急受診しましょう。

検査と診断

急性脳症の場合は、とても進行がはやいため、迅速な検査・診断が求められます。一般的には診察、髄液検査、頭部のCTやMRI検査、脳波検査などから診断します。さらに、詳しい原因を調べるために、血液や尿検査、胸部X線検査、心電図検査などを行います。「どんな病気?」の項目で触れたように、脳浮腫は認められますが、炎症性病変が見当たらない点が診断の決め手となります。

治療法

急性脳症の治療は、一刻をあらそいます。さまざまな検査により、診断が確定したら、すぐさま治療を開始しなければなりません。ICU(集中治療室)での治療になります。全身の管理をしつつ、抗けいれん薬を使います。それと同時に、原因と思われる病気の治療と脳浮腫の治療を行っていきます。さらに、効果が期待できる急性脳症の治療法としては、パルス療法(ステロイド薬を短期間に大量投与する治療法)や軽度低体温療法が挙げられます。何度も言いますが、命にかかわる病気のため、迅速な治療が必要です。

対処法

時間が経って急性脳症の治療が遅れれば遅れるほど、さまざまな後遺症があらわれる確率は高まっていきます。急性脳症にかかった子供の多くは、何らかの後遺症を抱えています。知的障害、筋力低下、全身麻痺、てんかん…人によって、いろいろな後遺症が見られます。それらの後遺症を完全に回復させることは難しいですが、それでも毎日のリハビリによって、少しずつ良い状態になっていくでしょう。一人ひとりの状態に合ったリハビリをしていく必要があります。


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