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脳炎・髄膜炎

脳炎も髄膜炎も、命にかかわる重大な病気です。脳炎は、予防接種の普及で日本ではあまり見られなくなりました。一方の髄膜炎は、風邪や麻疹の合併症として、よく発病します。各症状や治療法などから、これらの病気が一体どのようなものなのかを紹介していくことにしましょう。どちらも、早急な診断・治療が必要になります。

どんな病気?

脳炎と髄膜炎…それほど頻繁に起こる病気ではありませんが、その中でも子供がよくかかります。それぞれどんな病気なのか、見ていきましょう。

脳炎

脳炎の代表例として、「インフルエンザ脳炎」や日本脳炎が挙げられます。「インフルエンザ脳炎」はインフルエンザウイルスによって、日本脳炎は「日本脳炎ウイルス」にかんせんしている豚を刺した蚊を介して人へとうつります。脳炎は実際に発病することはまれですが、もし発病した場合は、命にかかわる深刻な病気です。なお、日本脳炎に関しては、ワクチン接種により、重篤な副作用を起こすことがわかり、積極的な推奨がなされていません。

髄膜炎

髄膜炎は風邪や麻疹、おたふく風邪、中耳炎、風疹などの合併症として、よく見られる病気です。

ウイルス性と細菌性に分けられ、脳の表面をおおっている髄膜に炎症が起きている状態になります。細菌性の髄膜炎は重症化しやすく、進行もはやいため注意しなければなりません。

なかでも乳幼児の場合、症状に気づきにくいので、風邪などをひいたあとは、特によく様子を観察するようにしましょう。

主な症状

脳炎・髄膜炎に共通する症状は、高熱・頭痛・嘔吐になります。また、常にボーっとしたり、急に大声で叫び出したりするような意識障害があらわれます。

脳炎

上記の症状のほかに、けいれんや麻痺、失語症、幻覚、知能障害、異常行動などの症状が出てきます。重症の場合は、こん睡状態に陥ることもあります。

髄膜炎

髄膜炎の大きな特徴として、首がかたくなることが挙げられます。ウイルス性の髄膜炎でもけいれんや意識障害を伴いませんが、細菌性の場合はこれらの症状も見られます。乳幼児の場合、大泉門という前頭部の髪の生え際の少し上のペコペコした部分が膨らみます。

検査と診断

発熱や頭痛、吐き気、嘔吐、首がかたくなっているなどの症状があるときは、脳炎または髄膜炎が疑われます。CTやMRI検査などによる画像診断に加えて、髄液検査と脳波検査も行います。さらに血液検査で、ウイルス抗体価の測定や細菌培養などをします。脳炎・髄膜炎ともに早期に的確な診断をして、早急に治療を始める必要があります。ちなみに、ヘルペスウイルスによる脳炎を発病すると、症状として異常行動があらわれることがあり、精神科を受診する人もいますが、発熱や頭痛なども同時に見られるようであれば、脳神経外科を受診してください。重症で治療が遅れたケースもあるので、異常を感じたら一刻も早く受診しましょう。

治療法

脳炎や髄膜炎を発病した際は、入院治療が必要になります。それぞれの病気に対する治療法を紹介しましょう。

脳炎

ヘルペスウイルスによる脳炎には、抗生剤を使って治療します。けれど、抗生剤があって効果が見込めるのは、このタイプのみ。日本脳炎など他のウイルス性のものには特効薬がなく、対症療法となります。日本脳炎は肺炎などの合併症を起こしやすく、後遺症も高確率で出るので注意が必要です。

髄膜炎

ウイルス性の髄膜炎に対しては、特効薬がないため、発熱や頭痛、嘔吐への対症療法を行います。このタイプは比較的軽いことが多く、髄液を抜くだけでもだいぶよくなります。2週間ほどで回復し、後遺症もありません。細菌性の髄膜炎は、その菌に有効な抗生剤を使って治療することで効果が期待できます。


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