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もやもや病

「もやもや病」は、X線写真に写る血管像が煙のようにモヤモヤとしている病気で、正式名称を特発性ウイリス動脈輪閉塞症といいます。以前、歌手の徳永英明さんが発病したことで、この病気の存在を初めて知った人もいるのではないでしょうか。ここでは、「もやもや病」の原因や症状、治療法などを説明しましょう。

どんな病気?

「もやもや病」は、日本で最初に発見された病気で、子供がかかる脳血管障害の主な原因といわれています。X線検査をすると、細い血管が何本もあって、それが煙のようにモヤモヤ見えることから、そう名付けられました。「もやもや病」は子供の脳血管障害の主な原因と述べましたが、発症年齢は10歳以下40歳前後とされ、男性に比べて、女性のほうが少しだけ発症の確率が高いとされています。原因は今のところ不明ですが、全体の約10パーセントに家族発症が見られます。


この「もやもや病」には虚血型と出血型の2種類があり、子供の場合は一過性脳虚血発作や脳梗塞、大人の場合は半数の人が脳出血となって、それが原因で発病します。

主な症状

子供と大人の「もやもや病」…主な症状を見ていきましょう。

子供の場合

子供の「もやもや病」の主な症状は、過呼吸で誘発される一過性の脱力発作、感覚障害、意識障害、けいれん、吐き気や嘔吐を伴う頭痛などになります。また、脳梗塞で発症した場合はその場所によって運動麻痺や失語といった症状があらわれます。さらに精神発達の遅れや知能低下、学習障害などの症状が目立つことも多いでしょう。このうち、5歳以下の子供が発病した場合、重篤になるケースが少なくありません。

大人の場合

大人の「もやもや病」は脳出血が原因で発病することが多いため、出血の場所によって症状が違ってきます。運動麻痺や言語障害といった症状以外に、意識障害、けいれん、一過性の頭痛などの症状があらわれます。一般的には大人がかかりやすい出血型に重症例が多いといわれています。

検査と診断

「もやもや病」の診断には、脳血管の状態をよく観察する必要があります。

脳血管撮影をはじめ、MRA(磁気共鳴血管撮影)やMRI検査を行います。このうちのどれかの検査方法で「もやもや病」を確定診断することができます。

頭蓋内内頚動脈終末部や前大脳動脈、中大脳動脈の近くに狭窄、閉塞が見られたり、その周囲に異常血管網が認められ、モヤモヤした血管があれば「もやもや病」と診断が確定します。

治療法

「もやもや病」に対しては、薬物治療と外科的治療を中心に行います。まず薬物治療では、脳血管拡張薬や抗血小板薬を投与します。これは、子供・大人共通の治療法になります。このほか、子供の場合は脳の表面に腱膜や筋肉をつけて血流をうながす間接的血行再建術、浅側頭(せんそくとう)動脈-中大脳動脈吻合術(ふんごうじゅつ)という手術を行うことがあります。この手術は、頭皮の動脈を脳の表面の動脈につないで、脳の血流をうながすというものです。ちなみに、手術治療はすでに脳梗塞や脳出血などの病気で病変が広がってしまっているケースでは、病気の進行を食い止めることはできますが、今認められる症状に対する効果は少ないでしょう。

上手な付き合い方

残念ながら「もやもや病」は、完治する病気ではありません。症状を治療でコントロールしながら、上手に付き合っていくしかないのです。治療によって症状が安定しているときは、スポーツや楽器演奏なども極端に制限する必要はないでしょう。ただ、手術をしている場合、サッカーのヘディングやボクシングなど頭に強いダメージを受けやすいスポーツは控えてください。また、この病気はたとえ手術をしていても、脱水状態が強まると血が固まりやすくなり、脳梗塞を起こしやすくなります。そのため、意識的に水分補給するように心がけましょう。


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