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脳性麻痺

赤ちゃんが母親のお腹の中にいるときから出生直後にかけて、脳に何らかの障害が起こって、それは運動機能障害として残るものです。そのため、正確に言うと脳性麻痺は病気ではありません。人によって、障害の種類や程度はさまざま…。ここでは、脳性麻痺の原因、代表的な種類とその症状、治療法などを説明していきます。

どんな病気?

胎児のときから生後4週間以内の新生児期とよばれる期間に、脳に起きた何らかの障害が原因となり、運動機能が永続的にマヒした状態のことを脳性麻痺といいます。2歳までに脳性麻痺の症状があらわれる確率は、1000人に約1人といわれています。早産で、未熟児として生まれた子供には、特に多く見られます。脳性麻痺の原因についてはさまざまなことが考えられ、症状はそれらの原因に関係している場合も少なくありません。原因は妊娠中出産時出生後の3段階に分けられます。

妊娠中

風疹などの胎内かんせん、胎内脳出血、胎内無酸素症など

出産時

機械的呼吸閉鎖、胎盤剥離、無気肺(分泌物が気管支に詰まり、肺の空気の一部または全部がなくなる状態)など

出生後

外傷、かんせん、血管性障害など

主な症状

脳性麻痺の症状は本当に千差万別で、一概には言えませんが、代表的な症状を挙げるとするなら、運動発達の遅れ、異常な運動と姿勢、胸郭が変形して関節がかたくなる…などがあります。新生児期から6、7ヶ月~1歳半または2歳までに、運動や姿勢の異常、運動機能の発達の遅れなどの症状によって脳性麻痺を疑います。一般的には、乳幼児健診で発見されることが多いのではないでしょうか。


脳性麻痺は、脳の部位や侵されている程度、範囲などによって、その症状はまったく異なります。ここで、運動機能障害の種類を見てみましょう。

痙直型(けいちょくがた)麻痺

筋肉は引っ張られると、損傷を防ぐために反射的に収縮します。痙直型の症状としては、この反射が異常に強まり、筋肉の緊張が増します。関節が動きにくかったり、縮んでかたまったりします。

不随意運動(アテトーゼ)型麻痺

何かしようとする際に、自分の意思とは無関係な動きをしてしまう不随意運動が出ます。たとえば、物を取る際に手が自分の意思とは関係なく動き、すんなり手を伸ばして取れないというような症状があらわれます。

協調障害

協調障害では、たとえば縄跳びが上手にできなかったり、自転車にうまく乗れなかったり…複雑な動きや細かな動作がスムーズにできないというような症状が見られます。


脳性麻痺は基本的に運動機能障害が基本となりますが、視覚障害や聴覚障害、さらには知的障害を伴うことも多いです。

検査と診断

定期健診などで脳性麻痺が疑われたら、まずは妊娠中の様子や分娩の経過など、母子手帳に書かれていることを見ながら、精神・運動発達の状態をおおまかに把握します。それから、体の診察、心理発達検査を行います。基本的には診察と心理発達検査よって判断できますが、より詳しく調べるためには、必要に応じて頭部CT・MRI検査や脳脊髄液検査などを行い、脳の異常を調べます。これらの検査結果を総合して、最終的な診断が下されます。

治療法

さて、脳性麻痺の治療法ですが、障害(病気)を完全に治すことはできません。そのため、症状を上手にコントロールしていくことが治療になります。脳性麻痺が疑われた時点で、すぐ治療を始めます。早いうちに治療を始めると、効果が期待できるでしょう。最初は機能訓練をメインに行い、日常生活動作や社会適応のトレーニングもしていきます。また、重度の障害をもつ子供に対しては、呼吸や食事などの訓練・指導も大事な治療の一環になります。


そのほか、呼吸器や自律神経の病気に対しては、薬物治療を行ったりもしますし、関節がかたまってきている場合には手術も検討します。さらに必要に応じて、補装具や車椅子などの福祉用具も取り入れましょう。


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