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周囲には恥ずかしくて、痔のことなんて言えない…と思っている人もいるでしょう。日本人の3人に1人が痔を持っていて、“肛門の風邪”といわれるくらいポピュラーな病気です。ですが、場所が場所だけに病院に行く勇気がなくて、出血や痛みを必死でこらえている人はいませんか?ここでは、痔の症状や治療法、家庭でのケア方法などを説明します。

どんな病気?

痔は、何らかの原因で便がスムーズに排出されず、無理に踏ん張ったりすることで、肛門のまわりと便が擦れ合い、肛門内に細菌が入って炎症を起こす病気です。痔の主な原因としては、便秘と下痢が挙げられます。便秘は硬くなった便を出すときに、下痢の場合も便が出る勢いのよさが肛門を傷つけます。また排便時をはじめ、出産やスポーツ時のいきみ、長時間の同じ姿勢で座りっぱなし・立ちっぱなしの生活、体の冷え、食生活の乱れ、精神的なストレスも痔を引き起こします。


さらに、妊娠中の人は子宮が大腸を圧迫して便秘になりやすいので注意しましょう。女性は男性に比べ、痔になる確率が高いといわれています。それには、女性ホルモンの影響で妊娠中や生理2週間前くらいから腸の働きが鈍くなったり、腹筋が弱く便を押し出す力が弱いという理由があります。加えて、忙しさのせいにして我慢したり、排便すること自体を恥ずかしく感じたり…といった原因も考えられます。

主な症状

痔の種類別に、症状を見ていきましょう。痔核、裂肛、「痔ろう」と3つの種類が挙げられます。

痔核

痔核は、血行不良のため、肛門のまわりにある静脈がうっ血して、その部分がはれてイボのようになったもので、一般的には「いぼ痔」ともいいます。肛門の内側にイボができる内痔核と、肛門の外側にできる外痔核に分けられ、内痔核の場合、初期のうちは無症状ですが、大きくなってくると排便時に出血するようになります。さらに大きくなると、肛門の外に出てしまい、脱肛を起こすこともあります。一方、外痔核の場合、内痔核に比べて出血は少ないですが、腫れと強い痛みの症状が見られます。

裂肛

裂肛の場合、強い便秘や下痢を起こすことで肛門が刺激され、皮膚が切れるなどの症状があらわれます。「切れ痔」ともいいます。この裂肛は排便時に皮膚が切れることによって、痛みの症状が見られ、それは排便後も残ります。出血は少ないですが、痛みが強いために排便を我慢する人も少なくありません。我慢し続けていると、よりいっそう便が硬くなり出にくい状態になります。症状が進むと、潰瘍ができたり肛門狭窄になったりします。

「痔ろう」

「痔ろう」は、痔の中でも一番やっかいなものです。この「痔ろう」は女性より男性に多く発症します。肛門の小さなくぼみに細菌が入ってしまうい、化膿した状態になり、多くは下痢が原因といわれています。「痔ろう」の主な症状としては、肛門のまわりに膿をもったおできの強い痛みと同時に、高熱が出ます。

検査と診断

どんな検査によって、診断が下されるのでしょうか?主な検査内容を見てみましょう。検査も思ったほど恥ずかしいものではないので、安心してください。

問診

問診では今の症状、今までかかった病気、排便の様子、生活習慣、家族に痔の人がいるかなどを聞かれます。はじめに問診表に記入するので、直接医師に話しにくいことも正直に書くようにしましょう。

視診・触診

指で調べる肛門指診と、肛門鏡や直腸鏡などの専用の医療器具を使う検査があります。肛門指診は、ゼリー状の麻酔薬を塗った指を肛門内に入れて、痔の状態やポリープ、がんがあるかどうかを診ます。肛門鏡の検査は肛門を押し広げ、痔の大きさや位置を詳しく調べます。また、直腸鏡はポリープやがんが疑われる場合に用いられます。

治療法

痔の治療法には、どんなものがあるのでしょう?以前は、「痔の症状が出たら手術が必要」と考えられていましたが、初期段階のものであれば必ずしも手術が必要になるわけではありません。軽い場合は、薬と生活習慣を見直すことで、症状を改善することができます。

薬での治療

軟膏や坐薬を使って、治療します。痛みや出血、はれなどを和らげて、便を出しやすくしてくれます。痛みがひどいときは無理に坐薬を使わず、軟膏を使うようにしましょう。

生活改善

日常生活の中で、便秘を解消する工夫が必要になります。それには、規則正しい生活、食事、運動など、生活習慣の見直しが必要です。

毎日入浴して体を冷やさないようにしましょう
辛いものなどの刺激物はできるだけ控えましょう
水分と食物繊維を十分にとりましょう
適度な運動を心がけましょう
自分なりのストレス発散法を見つけましょう

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