肛門科は、主に肛門の病気を専門的に治療する診療科です。肛門科の医師のほとんどは、大腸に関しても大変詳しいため、肛門だけではなく、大腸など下部消化管の診療・治療を行います。雰囲気のいい病院が増えているので、異常を感じたら恥ずかしがらず、早めに受診しましょう。代表的な病気としては、痔や肛門掻痒症などが挙げられます。
便の排泄に重要な役割を果たす肛門は、一体どのようにして作られるのでしょう?妊娠初期、胎児の腸の管がおしりの方に下りてきて、おしりの皮膚に小さなクボミができます。腸は次第に袋状になり下りてきて、クボミが深くなります。妊娠8~10週目になると、下りてきた腸とおしりのクボミが合体します。こうして便の通り道が開通し、肛門ができるのです。
肛門の構造は、とても複雑です。肛門、歯状線(しじょうせん)、直腸、肛門小窩(こうもんしょうか)、内括約筋(ないかつやくきん)、外括約筋(がいかつやくきん)、静脈叢(じょうみゃくそう)から成っています。
肛門には、痛みを感じる知覚神経が通っているため、この部分に病気が発生すると強い痛みを伴います。表面は皮膚に似た肛門上皮でおおわれています。体内で消化・吸収された食べ物の残りカスを排泄し、便やガスの排出を調整する器官です。
歯状線は、肛門縁という肛門上皮の出口から約2センチ奥にある肛門上皮と直腸粘膜の境目になります。ここから上は直腸で痛みを感じず、下は肛門で痛みを感じる部分です。
直腸には知覚神経が通っていないため、この部分に病気が発生しても周囲を圧迫しない限りは痛みを感じません。表面は粘膜でおおわれているので、出血しやすくなっています。
肛門小窩は、歯状線に約10個あるクボミのことをいいます。細菌が入って感染が起こると、肛門周囲膿瘍になり、次第に痔ろうへと発展します。
内括約筋は、直腸の壁を作っている筋肉が肛門の部分で厚くなったものをいいます。この筋肉のおかげで、無意識に肛門を閉じています。
外括約筋は、排便時に意識して動かすことができる強い筋肉のことをいいます。意識的に肛門を閉じて、便やガスが漏れないようにします。
静脈叢は、肛門周囲に網の目のように走っている血管のことをいいます。この部分が静脈瘤になったものが痔核です。