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SARS

2002年に中国で発生し、2003年には世界中で大問題になったSARS(サーズ)。日本語では、重症急性呼吸器症候群といい、新型肺炎とも呼ばれていました。ここでは、主な症状、検査、治療法などから世界を震撼させたSARSがどのような病気なのか、もう一度見ていくことにしましょう。

どんな病気?

SARS は、2002年に中国広東省で初めてのかんせん者が出て、その後、世界中のいくつかの国で患者が発生しました。かんせん症法の1類かんせん症に指定されている病気です。中国政府が海外旅行を禁止するなど、大問題になったのを覚えているでしょうか。原因となる病原体は「SARSコロナウイルス」という新種のコロナウイルスです。2日~1週間の潜伏期間を経て、周囲の人に飛沫・空気かんせんすると考えられています。


これまでで最初の発生国である中国での一番患者数が多く、発病者数5000人以上のうち命を落とした人が348人、次いで香港で発病者数約1700人、命を落とした人が299人となっています。農協職員は発病したことから始まり、旅行者を通じて広まっていき、世界中を恐怖に陥れました。

主な症状

38度以上の発熱、空咳、息切れ、呼吸困難などの症状が見られます。また、頭痛、寒気、体の震え、食欲不振、全身倦怠感、下痢、意識混濁などの症状があらわれることもあります。発熱してから1週間後くらいに、咳や呼吸困難というような肺炎の症状が出始め、この頃から周囲の人への感染力も高まっていきます。


ただ、香港で行われた調査によると、SARSや肺炎の症状が出なかった人でも、抗体検査で陽性反応があったことが報告されています。このことから、かんせんした人すべてが必ず発病するとは言い切れないことがわかります。

検査と診断

もしかしてSARSかも…と思ったら、まず慌てずに最寄りの保健所か医療機関に連絡をして、指示を仰ぎます。その指示にしたがって受診してください。ここで、疑う目安を挙げておきましょう。


38度以上の急な発熱がある場合
咳や呼吸困難感がある場合
10日以内に伝播確認地域に渡航した、またはSARSの患者に接触した場合

時期的にSARSが流行していて、そのかんせんが疑われる場合には、胸部X線検査やCT検査、血液検査が行われます。胸部X線検査やCT検査では、肺炎の所見があります。また、血液検査ではリンパ球や血小板の減少、LDH(乳酸脱水素酵素)の上昇などがあらわれているでしょう。そのほか、インフルエンザやマイコプラズマといったさまざまな細菌の検査とともに、SARSの病原体の検査をします。早い時期に検査を行っても、確定診断するのは難しいのが現状です。診断は、世界での流行状況にかなり左右されるものと思われます。

治療法

SARSに対しては今のところ、効果的な治療法が確立されていないため、症状を改善するための対症療法が中心になります。初期の段階ではSARSと普通の肺炎とは見分けがつきにくいので、肺炎時に行われる抗生剤による治療が主です。肺炎の症状が重い場合には、酸素吸入や人工呼吸器などによる治療が行われます。今は、特効薬の研究・開発が重ねられています。

予防

SARSを予防するためのワクチンは、まだ作られていません。そのため、個々の自己管理が重要になります。2004年に終息宣言が出されてはいるものの、またいつ突然流行するか油断はできません。
ここに、個人でできる予防策を挙げておきます。SARSに限らず、どんな病気であっても、以下のような予防が大事になります。今後、SARSが発生しないことを願いましょう。


健康的な生活を送り、抵抗力をつける
物に触れたり、トイレの際、外出先から帰ったときはこまめにうがい・手洗いをする
なるべく人混みを避け、どうしても行くときはマスクを着用する
コップなどを共用しない

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