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胸膜炎

肺の表面をおおう臓側胸膜と、胸壁、横隔膜、縦隔(じゅうかく)をおおう壁側胸膜からなっている胸膜に胸水がたまる病気が、胸膜炎です。胸の痛みが特徴的で、簡単に診断することができます。主な症状や治療法などから、胸膜炎が具体的にどのような病気なのかを見ていくことにしましょう。

どんな病気?

健康な人の胸の中には、ほんの数ミリリットル程度の水(液体)があると考えられています。胸膜に炎症が起こり、胸水の量が増えて胸水がたまった状態を胸膜炎といいます。胸膜腔に水がたまる湿性胸膜炎と、胸膜腔に水がたまらない乾性胸膜炎に分けられます。また、肋膜炎とも呼ばれ、さまざまな原因によって起こります。

がん性胸膜炎

胸膜に悪性腫瘍ができたり、転移したりすると胸水がたまります。肺がんが原因となることが多く、ほかに乳がんや卵巣がん、胃がんなどでも起こります。このタイプは、高齢者に多く見られます。

結核性胸膜炎

肺にあった結核の病巣が胸膜にまで及んで、炎症を起こします。このタイプの胸膜炎は、若い人を中心によく発病するもので、がん性とともに多く見受けられます。

肺炎随伴性胸膜炎

細菌性の肺炎や肺化膿症、気管支拡張症などの病気に伴って発病します。胸膜が細菌にかんせんする場合もあれば、そうでない場合もあります。

膠原病に伴う胸膜炎

全身性エリテマトーデスや関節リウマチといった病気に伴って発病します。このような特定の自己免疫疾患は胸膜を刺激するといわれています。

主な症状

胸膜炎の大きな症状としては、胸の痛みが挙げられます。胸膜炎の場合、胸の痛みは深呼吸や咳をすることで増すのが特徴になります。胸水の量が増えてくると、呼吸困難に陥ります。このほか、発熱や喉の痛み、咳、たん(または血の混じったたん)、体重減少、倦怠感、寝汗などの症状があらわれます。また、時々胸を締め付けられる感覚におそわれることも…。さらに、患部と関連して上腹部が痛んだり、首や肩に痛みが生じることもあります。軽い咳が長い間続いていて、ある日突然高熱を出し、病院に行ったら胸膜炎だった…ということもあるので、おかしいなと思ったら早いうちに受診することをおすすめします。

検査と診断

胸膜炎にかかると、特徴的な痛みがあらわれるため、簡単に診断することができます。聴診器では、胸水がたまっている部分の濁音が聞こえます。呼吸音が弱くなっていくと同時に、臓側胸膜と壁側胸膜がこすれ合う音が聞こえてくるのが特徴です。この音は、胸膜摩擦音と呼ばれています。胸部X線検査で胸膜炎が認められない場合がありますが、このようなときにも、聴診を行うことで少量の水がたまっていることを確認できるでしょう。聴診と胸部X線検査以外に、肋骨と肋骨の間から細い針を刺す胸腔穿刺(きょうくうせんし)によって胸水を採取する胸水検査や、胸腔鏡を使って胸腔内を調べる胸腔鏡検査などが行われます。

治療法

どのタイプの胸膜炎も、薬を用いた治療になります。細菌感染によるものであれば、抗菌薬の点滴が行われます。原因となるものがわかれば、よりいっそう効果の高い薬を使います。結核が原因で発病したのであれば、抗結核薬で治療します。悪性腫瘍が原因であれば、「胸腔ドレナージ」を行います。「胸腔ドレナージ」は、肋骨と肋骨の間から細いチューブを胸腔内に挿入し、専用の器具で胸水を体外に出す…というものです。それで胸水が減ったら、抗がん薬などを使って、胸水がたまるのを防ぎます。抗がん薬は全身投与も行わなければなりません。枕などを胸にしっかり当てておくと、咳をするときの痛みが少しは和らぐでしょう。ちなみに、胸膜炎の多くは入院治療が行われます。


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