待合室へ



気管支拡張症

気管支拡張症は、気管支が元の状態に戻らなくなり、拡張してしまう病気です。呼吸器系の病気の中では、患者数もそれほど多くなく、1000人に2人くらいの割合で発病します。別の病気がもとで起こった場合、気管支拡張症ではなく、原因となった病名で呼ばれることが多いようです。症状や治療法などを見ていきましょう。

どんな病気?

気管支拡張症は、気管支の一部が異常に拡張して元に戻らなくなってしまう病気です。気管支が円柱状や袋状に拡張します。肺全体に起こる場合と、局所に起こる場合があります。拡張した部分の浄化能力は低くなり、血管も増えるため、膿をもったり、血の混じったたんが出るようになります。このことから、細菌が繁殖しやすくなって気管支炎や肺炎などにかかる確率が高くなります。


原因としてはかんせん症、気道閉塞、先天性疾患、免疫異常などさまざまなことが考えられます。子供の頃に麻疹や百日咳、ウイルス性の肺炎などにかかった人は、その後遺症として多く見られます。また、副鼻腔炎(蓄膿症)にかかったことがある、または今治療中という人にも起こりやすいので注意しましょう。そのほか、気管支拡張症の原因となる先天性疾患として、カルタゲナー症候群やインモータイル・シリア症候群が挙げられます。カルタゲナー症候群は何万人に1人という遺伝性の病気で、気管支拡張症のほかに臓器の位置が左右反対の内臓逆位症と慢性副鼻腔炎を併せ持っています。

主な症状

気管支拡張症の主な症状は、長引く咳やたん、胸の痛みです。たんは膿をもち、次第にたくさん出るようになります。1日に出るたんの量は100ミリリットル以上になる場合もあります。また、症状が重くなると血の混じったたんや、喀血(かっけつ)も時々見られます。喀血(かっけつ)は、咳き込んだときに肺から大量に吐血することをいいます。さらに、慢性副鼻腔炎がかなりの確率で合併するといわれていますし、肺炎や肺気腫、喘息、膿胸、肺膿瘍などが合併症として挙げられます。このほか、発熱や呼吸困難といった症状があらわれることもあり、呼吸困難に伴ってチアノーゼになることも…。ときには、ばち指といって指先が太鼓のばちのような形に膨らむ症状が認められます。

検査と診断

胸部のX線検査やCT検査、気管支鏡検査、呼吸機能検査などによって、気管支拡張症の診断をします。X線検査では病状が進行していると、気管支壁が厚くなっていたり、拡張した気管支像が映し出されます。CT検査では、円柱状や嚢状に拡張した気管支像、拡張した気管支のなかにたまった液体などを調べることができます。異常が広範囲にわたって見られるときは、閉塞性換気障害を起こしていることが呼吸機能検査によって発見されたりもします。また、気管支鏡検査は出血部分の特定や、細菌の検査などに役立つでしょう。

治療法

たんの排出を促すために、喀痰調整薬の服用、吸入療法や「体位ドレナージ」などの治療を行います。なかでも、「体位ドレナージ」は気管支拡張症の治療法のうち、とても重要なものになります。1日に数回患部を高くした体勢をとり、20分~1時間そのままの状態で、咳をしたり、背中に振動を与えたりしてタンを出すようにしましょう。このとき、超音波ネブライザーという噴霧器を使って、たんを切る薬の吸入を同時にやると、楽に出すことができるでしょう。


かんせん症を合併した場合、抗生剤が投与されるとともに、気管支拡張薬や止血薬の投与が行われます。それでも出血が多いときは、輸血をする場合もあります。こうした内科的治療をしても効果が見られなければ、切開手術などの外科的治療が必要になります。これらは基本的に入院治療として行われます。


ページの先頭へ