待合室へ



肺水腫

文字どおり、肺水腫は肺に水がたまる状態です。主に心臓病などの心疾患が認められる際、肺水腫が起こります。年齢に関係なく、急に発病することが多い肺水腫。ここでは、主な症状や治療法などから、どんな病気なのかを紹介していきましょう。特に慢性の心臓病を抱えている人は、定期的に受診することをおすすめします。

どんな病気?

肺水腫は、肺の血管外に余分な水分や血液がしみ出して、たまっていくことをいいます。これは病名ではなく、肺の状態をあらわしています。何らかの原因でバランスが崩れて染み出す量が上回ると、細胞のまわりは水浸しになり、肺胞や気管支に水がたまってしまいます。


さまざまな原因で起こり、年齢に関係なく突発性が強いといわれていますが、最も大きな原因は2つあります。まず1つ目は、心臓の病気が原因の場合になります。心筋梗塞などで心不全になると、全身へ血液を送る力が弱まります。これによって血液が肺にたまってしまうのです。この状態を、心原性肺水腫とも呼び、肺水腫の多くはこのタイプです。2つ目はARDS(急性呼吸窮迫症候群)やALI(急性肺損傷)といった心臓以外に原因があるもので、非心原性肺水腫といいます。これらは肺に原因があって、誤嚥、重い肺炎、敗血症、すい臓炎、重い外傷などに続いて発病します。肺の血管に炎症が起きて、血液が漏れて肺にたまります。このほか、肺内の血液量の増加した状態の肺うっ血も、肺血管内圧の上昇によって起こるので、肺水腫を伴います。

主な症状

肺水腫の主な症状としては、呼吸困難、聴診で聞こえる水泡性ラ音(雑音)、泡状のたんなどが挙げられます。横になるとかえって息苦しくなるので起き上がって座ると、少し呼吸がラクになります。発作性夜間呼吸困難といって、夜中に突然息苦しくて目が覚めたり…というような症状も頻繁に見られます。また、胸がゼーゼーする喘鳴、ピンク色の泡状のたん、腹部の膨満感、下肢のむくみがあらわれます。症状が進行していくにつれてチアノーゼが出て、冷や汗をかいてショック状態に陥ることもあります。

検査と診断

胸部の聴診を行うと、ぶつぶつというラ音が聞こえてくるのが肺水腫の特徴といえます。血液中の酸素や二酸化炭素の量を調べる血液ガス分析、胸部X線検査などが主に行われます。これらの検査によって低酸素血症が判明し、心原性肺水腫では心臓が大きく写って、蝶が羽を広げたような影が見られます。

治療法

肺水腫の治療法は、心原性肺水腫と非心原性肺水腫とで異なります。ですが、まず第一に重要なのは、血液中の酸素濃度を上げることになります。この治療には、酸素吸入器や人工呼吸器が使われます。さらに、心原性肺水腫では、心臓の働きを強くするための強心薬やたまった水分を尿として排出するための利尿薬、ほかに血管拡張薬などを用いた治療を行います。心原性肺水腫、非心原性肺水腫ともに原因疾患の治療を怠ることなく、同時に救急処置を施すことが大切です。

高山病との関係

登山が好きな人なら知っているかもしれませんが、重い高山病にかかると肺水腫の症状があらわれます。高山病は高い場所にいて低酸素状態が続き、さまざまな症状が見られるものです。はじめは頭痛や吐き気、むくみだったのが次第に重症になると、高所肺水腫があらわれるようになります。この病気を発病すると、安静にしているときでも息切れや空咳、泡状のたんなどが出ます。これらの症状が出た場合は、大変キケンな状態なので早い段階での適切な判断が必要になります。登山前から体力が消耗するようなことは避けましょう。また、登山中は喉の渇きをあまり感じなくなるため、意識して水分補給するようにしてください。できれば、1日2リットルくらい飲むといいでしょう。


ページの先頭へ