待合室へ



呼吸不全

呼吸不全とは文字どおり、上手に呼吸ができなくなる状態のことをいいます。もとから何らかの病気を抱えている人だけでなく、普段は健康な人でも、急性の肺疾患などによって呼吸不全を起こすことがあります。ここでは、呼吸不全の主な症状や治療法などを見ていきましょう。

どんな病気?

いろんな病気がもとになって、呼吸機能が低下し、十分な酸素が各臓器に行き届かなくなった状態を呼吸不全といいます。そのため、これは病名ではなく、呼吸ができなくなっている…という状態を指しているのです。酸素は気道、肺を通って体内に取り込まれて、炭酸ガスを体外に出します。気道に何らかの問題があって空気が肺に届きにくくなったり、肺の病気で酸素が血液内に溶け込みにくい状態のとき、呼吸不全を起こします。呼吸不全は急性と慢性に分けられますが、どちらもさまざまな原因によって誘発されます。なかでも急性のものは原因がわかり、基準を満たしていれば急性呼吸窮迫(きゅうはく)症候群という病名がつけられることもあります。慢性呼吸不全は、症状が1ヶ月以上続いている場合をいいます。

主な症状

呼吸不全が起きたときに見られる主な症状について、紹介しましょう。急性と慢性で、少しずつ症状が異なります。また、急性・慢性ともに呼吸不全の原因となっている病気の症状も同時に出ます。

急性呼吸不全

呼吸困難、呼吸数の増加、脈が速い、息切れ、チアノーゼ、意識障害など軽いものから重いものまで、いろんな症状があらわれます。

慢性呼吸不全

急性と同じく呼吸回数が増えたり、脈が速くなったりします。ほかに、浮腫やチアノーゼなどがあらわれます。進行すると、著しい体重減少や肩呼吸も見られるようになります。

検査と診断

まずは、症状と診察所見から呼吸不全を疑います。それに加えて、血液検査が行われます。これで、酸素濃度が異常に下がっていたり、逆に二酸化炭素濃度が異常に上がっていたりしていることがわかれば、この時点で診断が確定します。それから胸部X線検査、動脈血ガス分析などで肺病変の性質や範囲、重症度をより詳しく調べます。さらに心電図、細菌培養検査、腹部X線検査、腹部エコーなども行います。これらの検査は、呼吸不全の原因になっている病気の特定に役立ちます。

治療法

たん、血液、異物などによって窒息状態になっているときは、それらを吸引して取り除くことが先決です。呼吸不全の際には、まず気道の確保をしなければなりません。うまく除去できない場合や、重症の場合は、気管チューブを入れます。気道確保が終わったら、鼻や口からカニューレやマスクなどの医療器具を使って、酸素吸入をします。呼吸不全の程度や原因となっている病気によって、酸素量が違うので、各患者に必要な分だけ酸素吸入されていきます。重い症状により自分で息を吸うことが難しい場合、人工呼吸を施します。最近は、鼻マスクを人工呼吸器につなぐ方法が普及し始めています。この方法のほうが気管チューブを入れるよりも苦痛を軽減できます。


また、呼吸不全の治療として原因となる病気の治療も忘れてはいけません。肺炎に対する抗生剤、喘息に対する気管支拡張剤、さらに消炎鎮痛剤、血液凝固防止剤というように、それぞれの病気に適した薬を用いての治療が必要になります。普通は、酸素吸入と同時に原因疾患の治療も行われます。


ページの先頭へ