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伝染性単核球症

伝染性単核球症は子供の頃にかんせんすることが多く、たいていは症状が出ずに、抗体ができてしまいます。思春期以降にかんせんした場合は、約50パーセントの割合で、発症すると考えられています。ここでは症状や検査、治療法などから、伝染性単核球症がどんな病気なのかを見ていきましょう。

どんな病気?

EB(エプスタイン・バール)ウイルスというヘルペスウイルスの一種にかんせんすることで、発症する病気です。唾液を介してかんせんし、ウイルスが体内に入ってから発病するまでの潜伏期間は、6~8週間とされています。乳幼児では、同じ仲間のサイトメガロウイルスが原因になることが多いようです。一度かんせんすると、体内には常にウイルスが存在するかたちになります。そのため、何らかの原因で免疫力が低下した際には、再発することも考えられます。


伝染性単核球症は、1889年にドイツ人の小児科医エミール・ファイファー氏によって報告された病気です。このことから、アメリカなどでは一般的に「ファイファー病」と呼ばれています。また、キスをすることでもうつることから、「キス病」ともいわれています。

主な症状

38度以上の高熱が出て、1~2週間持続することが多いです。場合によっては39~40度にまで上がることも…。咽頭炎、喉の痛み、吐き気、倦怠感のほか、イチゴ舌、頸部リンパ節、肝臓、ひ臓、上まぶたのはれなどもよく見られます。さらに発疹が出ることもあります。伝染性単核球症を発症した人のうちの約3分の1に、溶血連鎖球菌性扁桃炎の合併症が見られます。そのほか、肝腫が10~15パーセントに、ひ腫が約半数に認められ、急にひどくはれると、まれにひ臓が破裂してしまうこともあります。


仮に乳幼児が発症したとしても、高熱と同時に膿をもった喉のはれが見られる程度で他の症状はないため、扁桃炎と診断されてしまうことも少なくありません。ですが、数日で自然に症状も治まっていくことから、それ以上の詳しい検査などが行われることもなく、完治してしまいます。

検査と診断

伝染性単核球症の診断には血液検査、肝機能検査、EBウイルス、サイトメガロウイルス抗体検査が必要です。確定診断のために、白血球数の増加、リンパ球・異型リンパ球の増加を詳しく診ていきます。これで異型リンパ球と呼ばれるリンパ球が増えていると、伝染性単核球症が疑われます。

原因ウイルスの診断には特異的IgM抗体検査が欠かせません。ですが、乳幼児の場合は陰性であることが多く、急性期と回復期の2回以上の血液検査が必要になります。


発熱が1週間も続き、普通の風邪にしては変だなぁ…と思ったときには、早めに受診しましょう。症状が進行すると、劇症肝炎などを併発する可能性があるため、できるだけ早めに精密検査を受ける必要があります。多くの人は子供の頃にうつっているので、周囲の人にうつす心配はないといっていいでしょう。

治療法

伝染性単核球症に対しては根本的な治療法がなく、症状に応じた治療が主になります。薬物治療が中心で発熱には解熱剤、痛みなどには消炎鎮痛剤が処方されます。重症の場合は、抗生剤が処方されることがありますが、一部の抗生剤がアレルギーを起こしやすいといわれているので、使用されません。高熱が長期間続くと食欲もなく、体力が消耗してしまうために入院せざるを得なくなることも多いといいます。

家庭でのケア・予防

高熱が続いて不安になると思いますが、受診後は処方された薬を正しく服用して、とにかく安静を心がけましょう。リンパ節が痛むときには、冷やしたタオルを当てると痛みが和らぎます。こまめに水分補給をし、解熱剤を使って熱が下がっているあいだにでも、スープやゼリー、アイスクリームなど喉ごしのいいものを食べるようにしましょう。


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