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腎不全

高齢者によく見られる病気の1つに、昔は“不治の病”といわれていた腎不全が挙げられます。腎不全になると、血液中の老廃物を上手に除去することができなくなります。この病気がなぜ高齢者に多いのか…その理由も含め、症状や治療法などから腎不全について説明していくことにしましょう。

どんな病気?

腎臓は血液中の水や塩分といった電解質をコントロールしたり、老廃物を取り除くなどの働きをもっています。腎不全というのは、こういった大事な腎臓の働きが何らかの原因で十分になされなくなった状態を指します。それだけではなく、体液の量と配分をコントロールする働きも低下させてしまいます。この腎不全は大きく急性腎不全と、慢性腎不全に分けられます。前者は数日のうちに急にそういった状態になるもので、一方で後者は数ヶ月から数年というように長い期間をかけて、ゆっくりなっていくものです。


ところで、冒頭で触れたように腎不全は高齢者がなりやすい病気とされていますが、なぜでしょう?腎臓による血液のろ過率は30歳頃がピークといわれ、あとは少しずつ低下していき、70代になると若い世代の60~70パーセントしかなくなってしまいます。ほかにも、さまざまな腎臓機能が全体的に低下していくことで、腎不全に陥りやすくなるというわけです。また、高齢者は若い人に比べて約10パーセントもの体内水分量が減っています。これも脱水症状を引き起こし、腎不全となる原因の1つでしょう。

主な症状

さて、心不全が起こると、どのような症状があらわれるのでしょうか?症状は急性腎不全と慢性腎不全とで、少しずつ異なります。ちなみに、急性腎不全の場合、さらに血液が腎臓に来る前の心臓血管系に問題がある腎前性腎不全、腎臓自体に原因がある腎性腎不全、腎臓より下にある尿路系に問題がある腎後性腎不全の3つに分けられます。

急性腎不全

高血圧、肺うっ血、心不全、全身浮腫、不整脈などの症状が見られることがあります。また、全身倦怠感や食欲低下、吐き気、嘔吐、貧血などの症状もあり、進行すると意識障害やけいれんなどの重い症状があらわれます。

慢性腎不全

心不全、肺水腫、呼吸困難、全身浮腫といった症状が見られるほか、食欲低下や悪心、不整脈、貧血などの症状があらわれます。

検査と診断

腎不全の場合は、急性腎不全に対しても慢性腎不全に対しても、問診以外に次のような検査を行います。ちなみに、慢性腎不全の場合、腎機能が前回の数値の50パーセント以上悪化していたときに、急性増悪と認められます。

尿検査

腎不全の原因を突き止め、タンパク尿や血尿があるかどうかを調べます。

血液検査

血清中のクレアチニン(アミノ酸の一種)や尿素窒素、カリウムなどの上昇度合い、血液が酸性になっているかどうかなどを調べます。

画像診断

CTやMRI検査などの画像診断で、腎臓の大きさや病変の広がりなどを調べます。

腎生検

どうしても原因がわからないときは最後の手段として、腎臓の組織の一部を取り出して調べます。

治療法

昔は“不治の病”といわれていた腎不全も、今では医療の進歩によって治療可能になり、ある程度の回復が見込める病気となりました。治療法としては、薬物療法、食事療法、透析療法の3つが挙げられます。急性・慢性ともに基本的には同じ方法で治療します。

薬物療法

まずは、腎不全の原因になっている病気に対する薬を投与します。原因となるものにはさまざまな病気があるため、それに見合った治療を施すことになります。そのあと尿路の閉塞などが改善されてから、尿の量を増やすために利尿剤を用いて治療します。

食事療法

腎不全には、食事療法も重要です。水分のコントロールをはじめ、塩分控えめで低タンパクの食事をとるようにしましょう。

透析療法

心不全や高カリウム血症、高尿素窒素血症などが認められる場合、透析をすることもあります。また、透析は尿毒症の予防にも役立ちます。透析には、血液透析と腹膜透析の2種類があります。

血液透析

1回4~5時間かけて、病院で行います。血液を腕の血管から吸い上げて、人工腎臓へと流します。そこで血液中の老廃物や余分な水分をろ過します。

腹膜透析

これも1回数時間かかりますが、自宅で行うことができます。手術によってお腹に挿入したチューブに透析液を入れたバッグをつなぎ、注入します。終わったら透析液をお腹の部分から排泄します。


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