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男性不妊

子供がほしいにもかかわらず、不妊に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。その原因は男女半々といわれていますが、男性不妊はあまり実態が知られていません。また、男性不妊に関する情報もまだ少ないのが現状です。ここでは、主な症状や治療法などから男性不妊がどんな病気なのかを見ていきましょう。

どんな病気?

不妊症とは、結婚して定期的に夫婦生活があり、避妊をしていないにもかかわらず、2年以上経っても妊娠しない状態のことをいいます。これは女性側の問題と思われがちですが、原因は女性と同じくらいの割合で男性にもあります。食生活や生活環境の変化などから、最近は元気な精子をつくることができない男性が増えているのです。ちなみに、ここでは「男性不妊」と書きますが、正確には「男性不妊症」という言い方をします。


男性不妊の原因には、さまざまなことが考えられます。いろんな病気(機能障害)が男性不妊を引き起こします。

造精機能障害

これは精子が上手につくれず、数が少なかったり運動率が悪かったりするなど、精子の質が悪い状態になります。この造精機能障害を引き起こす原因になるものには、染色体異常などの先天的な病気や精索静脈瘤などの後天的な病気があります。けれど、多くの原因は不明とされています。

副性器障害

精巣上体や前立腺といった副性器が細菌かんせんによって、精子の運動率が低下している状態になります。検査をすると、精液中に白血球が増えています。

精路通過障害

精子はつくられますが精管に問題があって、精子が上手に運ばれない状態になります。先天性のものから病気や事故の後遺症などによるものまであります。軽症の場合なら、手術で回復させることも可能です。

性機能障害

最近メディアなどでも取り上げられているEDも、性機能障害の一種です。勃起しない、上手に射精できない…というように性行為に問題を抱えている状態になります。また、ストレスなどの精神面も大きく影響しているといわれています。

主な症状

精巣が小さい、陰嚢が腫れている、精液量が少ないなどというような問題が原因になっている男性不妊は、自覚症状があらわれることもあるでしょう。また、ED(勃起障害)や射精障害によって、問題が起きている場合も自分でわかります。ところが、精子の数が少ない、運動率が悪い、奇形精子が多いという場合は、自覚症状がほとんどあらわれません。 また、日常生活では特に何の支障もないため、気づきにくいといった面もあります。このため、女性が不妊症だと思い、夫婦一緒に病院で検査したところ、男性不妊が発覚した…というケースも少なくないのではないでしょうか。

検査と診断

精神的なストレスやプライドなどから、検査に消極的な男性も多いと思いますが、女性に比べてほとんど痛みを伴わず、簡単に検査することができます。問診、男性器の視診と触診、あとは基本検査を行います。いくつかの基本検査で何か問題が見つかった場合は、さらに精密検査を行います。ここで、基本検査の内容について紹介します。

検査名

内容

精液検査

採取した精液から、精子の数や精子の運動率を調べる。

精子生存性検査

精子が生存しているかどうかを調べる。

精液培養検査

細菌の種類を調べる。

尿検査

尿中の糖やタンパク、赤血球、白血球の数を調べる。

尿中精子検査

射精後の尿を採取して、膀胱に精子が逆流していないかを調べる。

ホルモン検査

血液中の男性ホルモン値、卵胞刺激ホルモン値、黄体化ホルモン値、プロラクチン値などを調べる。

抗精子抗体検査

精液の状態を診て、精子に対する抗体があるかどうかを調べる。

フーナーテスト

女性の排卵日に性交したあと子宮頸管粘液を採取し、その中の精子の状態を調べる。

超音波検査

陰嚢部の超音波検査で、精巣容積や腫瘍などがあるかどうかを調べる。

治療法

男性不妊に対して、今のところはまだ根本的な治療法はありません。何か別の病気によって炎症が起きている場合などは、投薬治療を行うと自然妊娠できるような状態になることもありますが、男性不妊のほとんどが原因不明です。そういった原因不明のものに対して、たとえば男性ホルモンが不足している場合ならば、ホルモン剤の投与をしたりします。ですが、長期のホルモン剤投与はかえって機能低下を引き起こしてしまうため、好ましくありません。そのため、軽症の場合は違う薬剤をいくつか組み合わせて治療に使います。それで効果が見られなければ、人工授精や体外受精などをしなければなりません。何年もかけて治療に励んでいる夫婦も多く、厳しい現状です。


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