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膀胱がん

「膀胱がん」は特に、50代以降の男性に多く見られる病気です。年間で10万人中、10人が発病するとされ、泌尿器系のガンの中では一番多いガンといえるでしょう。ここでは、特徴や主な症状、治療法などから「膀胱がん」がどのような病気なのかについて説明していくことにしましょう。

どんな病気?

膀胱は腎臓でつくられた尿をためておき、ある程度たまったら、体外へ排尿するという役割をもっています。この膀胱に悪性腫瘍ができる病気を「膀胱がん」といい、尿が出にくくなるなどさまざまな症状が見られます。では、膀胱のどの部分にガンが発生するのでしょう?膀胱は移行上皮という粘膜におおわれているのですが、たいていはこの粘膜にガンができるといわれています。そして、病気の進行程度によって“表在性”と“浸潤性”に分けられます。“表在性”はまだ初期段階でガン細胞が粘膜の内側にとどまっている状態、一方“浸潤性”は粘膜から筋肉へと広がり、病状が進行した段階になります。また、ガンができやすい移行上皮という部分は、そこを通って転移しやすいという特徴をもっています。そのため、再発しやすいのです。「膀胱がん」は女性よりも男性のほうが4倍も発病する確率が高くなっています。

主な症状

「膀胱がん」の主な症状は血尿といわれています。それも痛みを伴わず、肉眼でハッキリ確認できる血尿です。最初は数日おきに繰り返しあらわれていた血尿の症状が、病気の進行に伴って、今度は排尿のたびに血尿が出るようになります。そのほか、初期症状として、頻尿や排尿痛、排尿時の下腹部の痛みなどが見られる場合もあります。また、まれなケースに合併症として水腎症を認めることがあります。これは、ガン細胞が尿道口をふさいでしまったときなどに発症するもので、背中に感じる鈍痛が症状として挙げられます。

検査と診断

血尿や膀胱炎の症状などがあり、尿検査などで膀胱がんが疑われます。一般的には、膀胱鏡検査でガンの隆起している部分を一部取って調べる生検で確定診断します。また、膀胱鏡検査で見た目ではわかりにくい場合、肉眼的に正常と思われる部位からもチェックします。さらに、膀胱鏡検査では病変の上体や大きさ、数、発生部位なども診ることができます。このほか、尿細胞診も行います。これは尿中にガン細胞があるかどうかを確認する検査で、体への負担が少ないものです。同時に進行度を調べるためには、腹部CT・MRI検査、腹部および経尿道超音波検査、排泄性尿路造影などが役立ちます。転移がないかどうかを診るには、胸部X線検査や骨シンチグラフィなども効果的です。膀胱だけでなく、腎盂や尿管にも異常がないかどうかをしっかり検査します。

治療法

「膀胱がん」は、外科的治療が中心になります。早期のものに対しては経尿道的腫瘍摘除術(TUR-BT)を行います。高周波電流を用いて、周囲組織も含めて悪性腫瘍を切除してしまう方法で、「膀胱がん」の一般的な治療法といえるでしょう。術後の経過にもよりますが、基本的には短期入院で済みます。ですが再発防止のため、抗がん剤を用いた化学療法や薬を直接膀胱内に入れる膀胱内注入療法を行います。それでも再発してしまった場合には、もう一度経尿道的切除術を行うことになります。ちなみに、化学療法は手術が難しいときに行う治療でもあります。


しつこく再発を繰り返したり、病状が進行した場合には膀胱全摘除術をすることになるでしょう。膀胱を全部摘出するということなので、この手術をする際は膀胱の代わりに尿をためたり、尿を体外に出すための尿路変更術も同時に行わなければなりません。この尿路変更術には、尿管の端を直接皮膚に開口する尿管皮膚瘻(ろう)術、遊離回腸をつくって口側に尿管をつけて肛側を皮膚に開口させる回腸導管術、尿をためる袋をつくって出口を尿道につなぐ排尿型回腸新膀胱…などいくつかの方法があります。


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