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エイズ

今世界中で増加し続けているエイズは、とても恐ろしい病気です。特徴的な症状が出るわけではないので、ウイルスにかんせんしたことに気付かない人も多いでしょう。新しい治療法が登場し、この病気で命を落とす人の数は大幅に減りました。ここでは、エイズの主な症状や治療法、予防法などについて紹介しましょう。

どんな病気?

エイズ(AIDS)の正式名称は後天性免疫不全症候群といい、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)にかんせんすることで発症する病気です。このことから「HIV感染症」ともいわれています。1981年にアメリカで初めて報告されて以来、日本でも患者数が増加し続けています。エイズはHIV1とHIV2の2種類のウイルスによって引き起こされます。どちらのHIVも体の免疫システムに重要な役割を果たすリンパ球のどんどん壊していきます。このウイルスには性行為によってかんせんします。また、血液からもうつります。薬物使用時の針を使いまわしたり、出産時にかんせんした母親から赤ちゃんに感染したりすることもあります。ですが、咳やくしゃみ、握手、同じ料理を食べたり、お風呂に入ったりしてもうつることはありません。さらにHIVにかんせんしても、すぐにエイズを発症するわけではなく、約10年という長い潜伏期間があります。

主な症状

HIVに感染後、無症状のまま経過することがありますが、風邪のような症状が見られることも多いです。数週間以内に、発熱や発疹、リンパ節の腫れ、疲労感、体重減少、下痢、貧血などさまざまな症状が数週間続きます。そのあと、リンパ節のはれを除く、他の症状は次第に消えていきます。HIVにかんせんしてからエイズを発症するまでには、長い年数を要します。エイズの主な症状は、特定の日和見感染症やガンによるものが挙げられます。カリニ肺炎や食道カンジダ症にかかったり、皮膚の表面近くや内臓などにカポジ肉腫ができたりします。このように免疫力の急激な低下によって、健康な時には発症しないような病気になってしまいます。HIVは脳にかんせんすると、記憶障害、脱力感、歩行困難、思考力や集中力の欠如といった認知症の症状があらわれます。

検査と診断

血液検査を行い、HIVにかんせんしているかどうかを診断します。血液中にあるHIVタンパクに反応する特異的抗体と、HIV抗原自体を調べます。ただ、この血液検査ではかんせん後に特異的抗体が検出されるまで約1ヶ月かかってしまいます。なので、かんせん急性期に検査をしても判定できないことも…。この1ヶ月間のことをウィンドウピリオドと呼ばれていて、急性におけるかんせんが見落とされるだけでなく、輸血用血液の汚染のキケン性も高まると考えられています。HIVの検査は、心配な行為があった日から3ヶ月経った時点で、全国各地の保健所で匿名・無料で受けることができます。検査を受けて、早期に発見・治療することでエイズの発症を遅らせることが可能です。

治療法

治療は主に薬を使って行われます。逆転写酵素阻害薬(ぎゃくてんしゃこうそそがいやく)というものが10種類と、プロテアーゼ阻害薬と呼ばれるものが7種類で、現時点では17種類の薬があります。これらの薬を3種類以上組み合わせて行う治療を多剤併用療法といい、一般的な治療法となっています。多剤併用療法が行われるようになって以来、その高い効果に注目が集まっています。とはいっても、この治療法でHIVを完全に消滅させることはできません。かんせんが認められれば、一生薬の服用が必要になります。

予防法

うつらないようにするためには、どんな予防法があるのでしょう?まずは、性行為を控えることが第一です。仮に行うときにも避妊具をしっかり使うようにしましょう。さらに、注射針や注射器の使いまわしは絶対にやめてください。そのほか、一時期は輸血によるかんせんが問題になりましたが、現在の日本ではほとんどそのようなことはありません。もし心配があるとすれば、けがなどで出血した人に接する場合、万が一その人がエイズウイルスにうつっていたら…と不安になるでしょう。そのようなときは、できるだけ血液には触れずに早く止血することが大事です。もし触れた場合は、すぐ丁寧に洗い流してください。


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