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甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺機能亢進症と反対と考えていいでしょう。亢進症が甲状腺の働きが必要以上に活発になりすぎるものですが、低下症の場合、読んで字の如く、甲状腺の働きが低下してしまうものです。40~50代の女性に多く見られる病気で、男性1人に対し、女性は25人くらいの割合でみられます。甲状腺機能低下症のほとんどは橋本病ですので、ここでは橋本病を中心にお話ししていきましょう。

どんな病気?

甲状腺機能低下症は、慢性甲状腺炎とも呼ばれています。

原因は解明されていませんが、バセドウ病と同じで、甲状腺に対する自己抗体が血液の中にできます。

甲状腺を攻撃する能力は自己抗体にはありませんが、甲状腺の中にリンパ球が集まってきて、破壊をすすめていく自己免疫疾患の病気です。

小さい子供にこの甲状腺機能低下症が発症すると、成長に著しい影響を及ぼしますので、子供の体の変化に気づいたら、早急に病院で診察を受けなければいけません。

主な症状

その多くは全体的に甲状腺が腫れるだけで、目だった症状はありません。甲状腺がそのままの形で腫れ、甲状腺腫の表面がゴツゴツしています。目立つ症状がなくても、物忘れや気力が出ない、居眠りなどの不定愁訴が現れます。年代的に、こうした症状が更年期障やうつ病と間違われる場合があります。

症状が進むと

甲状腺の機能低下が進むと、体にむくみが出てきます。心臓病や腎臓病のむくみとは違い、押したときの凹みが元に戻ります。顔も人相が変わってしまうくらいむくんでしまうことがあります。喉にむくみが出ると声が出しづらくなり、声が枯れたようになり、肌は乾燥して粉がふいたようになります。

体で熱を作る能力も低下し、寒さに弱くなります。甲状腺機能亢進症とは逆に、食欲がなくなるにもかかわらず、反対に体重は増加します。それはむくみのせいと、新陳代謝が低下するため、エネルギーをうまく消費できなくなるからです。ちょっとしたことで手足の筋肉がつるようにもなります。

検査と診断

確定診断のために甲状腺ホルモンの測定を行い、鑑別診断のために下垂体ホルモンの測定をします。免疫異常の仕組みが疑われるときには各自己抗体の測定もし、甲状腺がんと区別するために、甲状腺超音波エコー検査も行われます。

治療法

甲状腺機能低下症がある場合、甲状腺ホルモン薬で治療を行います。

心疾患や低下症の程度が著しい場合、薬の量は少量から始め、効果を見ながら徐々に増量していきます。

時には入院も必要になります。様子をみながら少量から始める薬も、2~3ヶ月で必要量が決まります。

この薬には副作用もなく、妊娠中でも授乳期でも安心して服用することができます。

先天性甲状腺機能低下症

先天的に乳児に発症するものを先天性甲状腺機能低下症と言います。甲状腺が生まれつき十分に形成されていなかったり、先天性の異常が甲状腺ホルモンを合成する過程にあるなどして、甲状腺ホルモンが不足する病気です。

甲状腺ホルモンは脳の発育には必要不可欠なもので、仮に不足した場合、知的な発達に障害が出てしまいます。その他にも活動性が低下したり、低体温や心機能の低下、哺乳不良、体重が増えない、遷延性黄疸などの症状が出ます。新生児の頃に発見して治療を受けなければ、知的障害、成長発達障害が出てしまいます。

治療は甲状腺ホルモンの薬の投与のみで効果があります。すぐに治療を始めれば、知能も正常に育つことが分かっています。


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