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腸チフス

腸チフスは、日本では珍しい病気になりましたが、世界的に見るとまだまだありふれた病気の1つで、珍しいものではありません。海外旅行に行くときには注意が必要です。日本では、生の牡蠣や貝などから腸チフスになる場合があります。

どんな病気?

サルモネラで起こる感染症の中で、チフス菌によって起こるものを腸チフスと呼んでいます。

チフス菌に汚染されたものを食べたり水を飲んだり、手や指を介して口から感染します。人間にしかうつりませんので、衛生状態さえ良ければ発生が激減します。

発展途上国ではごく普通の病気ですので、海外旅行時や、輸入食品から感染する場合もあります。日本では、感染症法で2類感染症に指定されています。

これは監視が必要な病気だということです。

主な症状

チフス菌が口から入り、リンパ節の中で増殖して潰瘍を作ります。更に菌が血流にのって全身に広がって症状が出ます。チフス菌が体に入って症状が出るまでの潜伏期間は8~14日になります。

主な症状としては38度以上の高熱が続く発熱で、解熱剤で37度くらいには下がりますが、しっかりと適切な治療を受けなければ、発熱は延々と続き、抗菌剤を使って解熱しても、すぐに発熱を繰り返してしまいます。

その他、頭痛や関節痛、食欲不振や全身のだるさなどの症状があり、半数の患者には下痢も見られます。潰瘍が腸のリンパ節にできるために、腸から出血したり、腸穿孔を起こして腸に穴があく危険もあります。素人判断で解熱剤を飲んだり下痢止めを飲んだりせずに、病院でしっかりと治療を行わなければいけません。

検査と診断

便からチフス菌を検出することで診断が出来ます。チフス菌の検出には時間がかかり、少なくとも2~3日は必要です。発病してから2週間以内だと、白血球の数は正常の範囲内か増加することが多く、血液検査でのGOTやGPTでは肝酵素が初期の頃から上昇します。腸チフスと診断されると、医師は保健所に届け出ます。

海外渡航歴のある人では、他の病気、デング熱やマラリア、A型肝炎との区別も必要です。日本国内では滅多に発生しない病気ですが、原因の分からない発熱が続くようであれば、腸チフスを疑わなければいけません。

治療法

腸チフスの治療は、原則として入院治療になります。抗菌剤を使い、食事と安静を心がけます。潰瘍が小腸にできるので、下痢をしていなくても食事は消化のよいものにし、安静にします。熱が下がり、再び発熱することがないようであれば退院も可能ですが、解熱後1週間前後は腸から出血する可能性もありますので、やはり安静が必要です。

抗菌剤の服用期間は原則として2週間とされています。しっかりと治療を行わなければ体に菌が残ってしまう場合があります。治療が終了してから、体に菌が残っていないか確認検査が行われますが、除菌をきちんと行っていなければ、一生保菌者になってしまい、食品を取り扱う仕事に就くことはできません。


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