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先天性心疾患

先天性心疾患は50種類に分類されています。その中でも10種類が多くみられます。全体の60%を占めるのが心室隔欠損で、次いで肺動脈狭窄、心房中隔欠損、ファロー四徴症、動脈管開存、大動脈縮窄・離断、大血管転位の順番で多くみられます。

どんな病気?

先天性心疾患は、心臓に生まれつきの異常がある病気です。数多くの異常があり、1,000人に6~10人に異常が認められます。血液を身体に循環させる働きをしているのが心臓ですが、主に心筋という筋肉からなっています。心臓は4つの部屋が壁や弁によって仕切られていて、右心房、右心室、左心房、左心室に分かれ、大動脈、肺動脈、上大静脈、下大静脈の大きな4つの血管で、身体と肺につながっています。

これら心臓の各部屋や弁、壁、血管のつながり方などに生まれつき異常がある場合、血液の循環が正常にいかなくなり、心臓や肺に負担がかかって、様々な症状が現れます。

先天性心疾患の原因は?

現在原因として分かっているのは、母体の糖尿病や、アルコール、薬剤という環境因子や、単一遺伝子病や染色体異常、風疹やコクサッキーウイルスなどの先天感染などが挙げられます。その中でも、先天性心疾患の原因の多くは、多因子遺伝と言われています。多因子遺伝は、環境要因と遺伝的要因が相互に作用し合って、作用の度合いがある反応を起こさせる最低の刺激量を超えてしまうと、病気として現れるものです。先天性心疾患のうち、2~3%が染色体異常や単一遺伝子病が原因と考えられています。

主な症状

症状は、疾患によって様々なものがあります。主な症状としては、心不全とチアノーゼが挙げられます。稀に、完全房室ブロックを起こしたり、不整脈を起こすこともあります。

心不全症状

心不全は、心臓が弱って十分に血液を送り出せない状態で、呼吸が大きくなり、速度も速くなります。赤ちゃんを抱いている時に、呼吸をするたびに首を前後に動かすので気づきます。呼吸するたびに、首の付け根や胸の下部が引っ込む陥没呼吸をすることで気づくこともあります。疲れやすい状態なため、母乳やミルクも一気に飲むことが出来ず、泣き声も途切れ途切れで弱くなります。哺乳量が少ないため、体重の増え方も悪く、赤ちゃんなのに痩せた体型になります。

チアノーゼ症状

チアノーゼは、爪や唇が、動脈血の酸素濃度が低いために紫色になります。特に、先天性心疾患では、動脈に酸素の少ない静脈血が混入する場合にみられる症状で、全て重症になります。

出生したときからチアノーゼ症状が出ている場合の他には、乳児期では泣いた時のみの目立っていて、徐々に常にみられるようになります。幼児期いこうになると、太鼓ばち状に指先がふくらんできます。

チアノーゼに伴い、泣いたときの呼吸が速くなり、発達が遅れたり体重が中々増えなかったりし、激しい運動をすることができなくなります。ファロー四徴症にみられる特徴としては、歩いている時に座り込んでしまったり、チアノーゼがいきなり強くなり、痙攣や意識を失うチアノーゼ発作を起こすことがあります。

検査と診断

必要に応じて、心エコー検査やX線検査、心電図、血液検査、心臓カテーテル検査が行われます。

治療法

先天性心疾患の治療には、内科的治療、外科的治療、カテーテル治療があります。

内科的治療

主に、薬の内服と注射が行われます。強心薬や不整脈の治療薬、利尿剤が使われ、ファロー四徴症にはチアノーゼを防ぐ、発作予防薬が使われます。

この他にも、全身管理としての治療が施され、水分補給や酸素吸入、合併症の予防が行われます。

外科的治療

根治手術として、欠損している部分などを正常な構造にする手術や、短絡術として、肺動脈への血流を増やす手術、反対に血流を減らす肺動脈バンディング、姑息手術として、状態を改善する目的の手術などが行われます。

カテーテル治療

先天性心疾患のカテーテル治療は積極的に行われていて、とても重要な手術となっています。一般的に行われているものとして、コイル塞栓術が行われており、動脈間開存や、側副血行路の閉鎖に効果をあげています。欠損孔の閉鎖や、弁や血管の狭窄している部分の拡大などには、バルーンやステント留置が数多く行われています。


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