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溶連菌感染症

溶連菌感染症は、レンサ球菌属によって引き起こされる感染症全てを指す病名ですが、普通『溶連菌』と言えば化膿センサ球菌のことを言い、『溶連菌感染症』と言えば化膿レンサ球菌による感染症のことを指します。化膿レンサ球菌は、『A群レンサ球菌』とも呼ばれています。溶連菌感染症は、様々な病気を起こすことでも知られています。

どんな病気?

A群レンサ球菌(溶連菌)という細菌に感染して起こる病気で、2~14歳に多く見られ、特に5~9歳が半数を占めると言われています。

主な症状

上気道から溶連菌が侵入すると、増殖して炎症を引き起こし、急性咽頭炎や急性扁桃炎となって発病します。潜伏期間は2~7日で、39~40度の高熱が突然出て首のリンパ節が腫れます。その他に、喉の痛みや腹痛、嘔吐がみられることもありますが、咳や鼻水、目の充血などは、ほとんど起こりません。

発熱後2日ほどで咽頭が真っ赤になり、上あごに小さな出血斑が現れることもあります。扁桃も真っ赤に腫れあがり、白い膿が出ます。

検査と診断

咽頭扁桃炎や伝染性膿痂疹などの病巣に綿棒が届く場所の感染症では、綿棒でぬぐったものを血液寒天培養すると溶連菌が発見できますので、溶連菌感染症と診断できます。

膿が採取できる化膿性関節炎やリンパ節炎では膿の培養が、敗血症を伴う感染症の場合は、血液培養を行うと陽性になることが多くあります。

培養の結果が出るのには1~2日かかりますが、抗原抗体反応を利用した迅速抗原キットを使用すると、15分程度で結果が出ます。ですがデメリットもあり、早く結果を得られる反面、感度が低いため、見逃す可能性もあるので、必ずしも正確だとは言い切れません。

化膿が見られない場合や、検体を直接採取できない場合などは、血清診断することになります。

治療法

溶連菌感染症が原因で起こる病気には、急性感染症と言って、溶連菌が直接組織を破壊したり、生きた溶連菌に対する免疫反応によって症状が現れるものと、毒素性疾患と言って、溶連菌が出す毒素によって起こされるものがあります。

急性感染症

急性感染症は大きく4つに分けることができます。

急性咽頭炎
急性扁桃炎

発熱や咽頭痛が主な症状です。頭痛や腹痛、吐き気、鼻づまりなども起こります。治療の第一選択として、ペニシリン系の抗菌薬が使われます。咽頭痛で内服が困難な場合、筋肉注射か静脈注射を行います。

伝染性膿痂疹

ペニシリン系抗菌薬を使います。伝染性膿痂疹でよく知られているものは、『とびひ』です。

壊死性新幕炎

溶連菌感染症の中で、最も重症の病型です。人食いバクテリア感染症と呼ばれることもあります。治療は壊死組織の外科的除去が必要不可欠で、合併症に対する対症療法も必要です。ペニシリンを大量に静脈注射し、クリンダマイシンも静脈注射します。

その他

化膿性リンパ節炎や蜂窩織炎、化膿性関節炎、骨髄炎、結膜炎など、溶連菌は様々な感染症を起こします。第一選択として、ペニシリン系の抗菌薬が使われますが、場所によっては切開して膿を出すなどの処置も行います。

毒素性疾患

毒性疾患は、大きく2つに分けることができます。

猩紅熱(しょうこうねつ)

幼児期に多くみられる溶連菌の出す毒素による病気です。発疹や舌に舌苔がなくなり、イチゴ舌になるのが特徴です。ペニシリン系の内服薬が使われます。

毒素性ショック症候群

血液の中に放出された毒度によって急性のショック症状を起こし、多臓器不全に至るものです。血液の中にすでに毒素が流れているために、抗菌薬では効果がありません。血液浄化法や、ガンマグロブリンの投与を行います。


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