待合室へ



百日咳

百日咳は、初夏から秋にかけて流行する病気です。0~3歳の子供に多くみられます。普通、生まれたばかりの新生児の場合、母体から免疫をもらっているので、生後しばらくは病気にかかりにくいのですが、百日咳に関しては免疫を受け継ぎにくく、新生児でも百日咳にかかることがあり、注意が必要です。

どんな病気?

間隔の短い咳が連続して起こります。その咳が長期間、いつまでも続く病気です。原因は、百日咳菌の感染で起こり、菌が作り出す毒素によって、咳が出るようになります。感染は飛沫感染によります。

菌の排出が多く、周囲に百日咳を感染させやすい時期はカタル期の、感染してから1~3週間の間ですが、この時期に百日咳を診断することは難しく、感染を拡大しやすくなります。3週間を過ぎると感染性がなくなります。2歳未満の子供が感染すると重症化しやすくなり、生後6ヶ月未満の子供になると死亡率も高くなってしまいます。2回目に感染すると、発症した場合でもかなり軽度になり、感染に気づかない場合もあります。

学校保健安全法の第2種学校感染症に指定されている病気でもあり、感染力も強いために、保育園や幼稚園、学校などには咳がおさまるまで、4週間前後は行くことができません。

主な症状

百日咳に感染している人の痰や唾液から感染します。1週間の潜伏期間を経て、普通の風邪の症状が1~2週間続くカタル期に入ります。その後、咳の間隔が短く連続して起こるようになり、息を吸い込む時に、ヒューという特有の音が出る咳が出る痙咳期になります。咳と同時に嘔吐を伴うこともあります。3ヶ月未満の乳児の場合、この特有の咳の症状が現れない場合があり、無呼吸発作やチアノーゼ気味の症状が出ることがあります。徐々に咳が減っていく回復期になり、1~3ヶ月で百日咳が治ります。

咳の発作は夜に起こることが多く、咳発作時には様々な症状も現れます。嘔吐やチアノーゼ、無呼吸、顔面紅潮、まぶたのむくみ、結膜充血などが見られ、中には尿失禁、肋骨骨折、失神する場合もあります。咳発作が起きると著しく体力を消耗し、不眠や脱水症状、栄養不良が見られる場合は入院治療をしなければいけません。

乳幼児の場合、自分で痰を出すことができませんので、呼吸困難になる危険性があります。そのため、咳が出ているときには、顔色や唇の色が変化していないか、注意深く観察する必要があります。百日咳菌が肺に入ると、百日咳肺炎になってしまいますので、きちんと病院を受診しなければいけません。

検査と診断

特徴的な咳発作から、百日咳を疑います。検査としては、百日咳菌を培養したり、血液検査を行うこともあります。菌は、カタル期の後半には検出されますが、痙咳期になると検出が難しくなります。

治療法

治療と共に、咳発作を誘発させない環境作りが大切です。低温の場合は咳を誘発しますので、室温を20度以上にするようにし、加湿器などで室内の湿度を上げて、たばこなどの煙を避けます。水分を十分に摂ることによって、粘性の高い咳を出すようにします。

治療としては、百日咳菌に効果のある抗生剤を2週間程度内服しますが、痙咳期に入るとあまり効果が現れませんので、できるだけ菌の排出期間を短縮することが主な目的となります。咳に対して、鎮咳去痰剤や痰の吸引、必要に応じて気管支拡張剤や酸素吸入を行います。重症の場合は免疫グロブリンの注射が効果を期待できます。

肺炎、痙攣、脳症などの合併症がありますが、脳症の場合では2ヶ月未満の乳児の1%にみられる合併症です。予防接種の三種混合ワクチンは、予防効果がとても高いので、きちんと接種しておくことが大切です。


ページの先頭へ