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おたふく風邪

流行性耳下腺炎とも呼ばれる病気で、一般的にはおたふく風邪と呼ばれています。ワクチンが開発される前は、子供の病気として世界的に一般的なもので、発展途上国などでは脅威になっている病気です。MMRワクチンを接種することで、防ぐことのできる病気ですが、予防接種をせずに保育園や幼稚園で流行する傾向もあります。

どんな病気?

熱が出て、唾液を作る耳の前から下にかけた耳下腺や、あごの下が腫れて痛みが出る病気です。潜伏期間は2~3週間で、ムンプスウイルスが原因で、飛沫感染や接触感染によってうつります。一般的には2~12歳の子供に多くみられますが、もちろん成人でもかかる可能性はあります。思春期以降の人が感染すると、睾丸前立腺、卵巣、胸、中枢神経系や膵臓などの、他の器官にも影響することがあり、おたふく風邪から回復しても、後遺症として生殖機能に影響が出る場合もあります。

主な症状

突然38~39度の熱を出し、片側か両側の耳下腺が腫れて痛みます。対側の腫れが2~3日以内にみられ、あごの下にも広がる場合があります。唾液腺の腫れは3~5日でおさまり、7~10日で治ります。

おたふく風邪の発熱が一度下がってから再び発熱し、腹痛や頭痛、精巣が腫れる場合には、合併症として、無菌性髄膜炎、膵炎、精巣炎などを起こしている可能性があります。また、後遺症として、難治性難聴になる場合もあります。

学校保健安全法で学校感染症に指定されていて、おたふく風邪に感染したと診断されると、出席停止の措置がとられます。耳下腺の腫れがひけると感染力がなくなります。

予防接種

おたふく風邪の予防接種はMMRと呼ばれていて、ムンプスウイルスの毒性を弱めて作られた生ワクチンです。任意で接種することができ、一部の自治体では公費で助成が行われています。接種後、ワクチンが体内で増殖し、1ヶ月程度で十分な抗体が出来上がります。敏感な子供では、軽いおたふく風邪にかかったような症状が出ることがあります。予防接種をしてから2~3週間後に、一時的に発熱や耳下腺の腫れや咳、鼻水などの症状が出る場合もあります。接種後2~4週間後に、軽い無菌性髄膜炎を起こすこともありますが、後遺症が残るほどのものではありません。

検査と診断

症状を見るだけで、簡単に診断ができます。あえて検査をするのであれば、尿の中のアミラーゼを測定することで診断できますが、ムンプスの診断をするには、抗体検査かウイルスの検出が必要です。ただし、ほとんど検査は行われません。

腫れが片側だけの場合、診断は見ただけでは難しくなります。予防接種でワクチンを接種した後ではないか、化膿性唾液腺炎や唾液腺の結石、反復性唾液腺炎などとの区別が必要です。

治療法

おたふく風邪に有効な治療薬がないため、対症療法になります。それほど痛みがなく、患者が我慢できるようであれば、自宅で安静にしていましょう。痛みが強かったり、頭痛や嘔吐を伴うようであれば小児科を受診しなければいけませんが、腹痛や嘔吐がある場合、重症の膵炎を合併している場合がありますので、入院施設のある小児科を受診しなければいけません。

発熱や痛みに対しては、内服薬や坐薬の解熱剤が使われます。無菌性髄膜炎を合併し、頭痛や嘔吐が強い場合には、背骨の中に針を刺して、脳脊髄液を出して脳圧を下げます。膵炎を合併している場合は、症状に合わせて抗生剤や酵素阻害薬を使います。心配される男性不妊に関しては、片側だけの腫れの場合は滅多にありません。難聴を合併した場合、治療法がないために、聴力の回復は望めません。


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