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日本脳炎

1960年代では年間患者数が1,000人を超えていた日本脳炎ですが、現在では数人と、ほとんど発症しない病気です。赤ちゃんに予防接種を行っていることから、現在ではほとんどみられない病気になりましたが、発生源となる豚での日本脳炎がなくなったわけではありませんので、予防接種は行っておくようにしましょう。

日本では年間数人の患者しか出ていませんが、毎年東南アジア全域とインドやネパール、バングラディッシュなどでは多数の患者が出て、亡くなっている人もいます

どんな病気?

アジア地域に広く分布している病気で、日本脳炎ウイルスに感染している豚の血を吸ったコガタアカイエカに刺されることによって感染します。潜伏期間は6~16日で、家畜伝染病予防法で監視伝染病であり、感染症法での第四類感染症でもあります。ただし、日本では日本脳炎が発病することはほとんどありません。とは言え、毎年夏になると、北海道以外の地域では、日本脳炎に汚染されている豚が数多く出るので、予防接種はするべきでしょう。

主な症状

日本脳炎ウイルスに感染しても、発病するのは一握りで、そのほとんどは気づかない程度で済んでしまいます。症状は頭痛やだるさから始まる場合もありますが、脳細胞で日本脳炎ウイルスが増殖し、ほとんどが突然38~40度の高熱を出し、頭痛、嘔吐、痙攣、意識障害へと2~3日で進行します。発病すると致死率は20~30%と高く、患者の半数以上は脳にダメージを受けるため、麻痺などの後遺症が残ります。


高熱や痙攣

高熱だけの場合、特に心配はありません。発熱で痙攣を起こした場合でも、熱性痙攣で2~3分以内に治まりますので、体を楽にさせて様子をみます。嘔吐している場合は吐いたものが喉に詰まらないように、顔を横に向けます。

痙攣が治まらずに10分以上続いたり、痙攣が治まっても不規則に呼吸していたり、顔色が悪いまま戻らないときや痙攣を何度も繰り返す場合は、入院施設のある小児科医のいる病院で診察を受けます。外来診療や、内科医だけの病院では時間の無駄になります。

検査と診断

血液や脳髄液からウイルスを検出することは難しく、診断は、血清や脳髄液の中の抗体を測定して行われます。確定的なのは、初期に日本脳炎ウイルス得意IgM抗体が陽性の場合です。
陰性の場合は、初期の抗体価と2~3週間間隔をあけたときの抗体価を比較して診断されます。
脳波を測定するととても特徴的で、ハッキリと前頭部に高振幅徐波という、高くて遅い波が全体的に現れます。


治療法

日本脳炎を発症してしまうと、治療法は対症療法しかありません。痙攣を押さえたり、脳の水を引かせたり、脳での酸素の消費を抑える薬で治療します。

予防接種

日本脳炎の予防は、毎年流行する前の6月頃にワクチンを接種するのが望ましいとされています。ワクチンはとても有効なものでしかも安全です。不活性化ワクチンで、ワクチン接種後に赤くなったり腫れたり、接種した場所が痛んだり、稀に発熱や悪寒、頭痛が起こる場合もあります。

日本脳炎は、定期予防接種の対象となる病気ですが、豚での日本脳炎の発生状況を検討し、都道府県知事がその地域では必要ないと指定することができますので、豚の日本脳炎がほとんどない北海道では予防接種が実施されていません。

予防接種のスケジュールは1期と2期に分かれています。以前は3期までありましたが、2005年に廃止されています。

1期
(3回)

初回接種(2回)

生後6ヶ月以上90ヶ月未満(3歳前後)

追加接種(1回)

初回接種後おおよそ1年後(4歳前後)

2期(1回)

9歳以上13歳未満(標準9歳)


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